2007年4月26日

『投資信託にだまされるな!』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478000247

本日の一冊は、人気マネー雑誌「ダイヤモンドZAi」「ダイヤモンドマネー」「あるじゃん」などで執筆している著者が、投資信託のトリックと正しい選び方を指南した一冊。

以前、モーニングスター日本代表の朝倉さんが書いた『投資信託選びでいちばん知りたいこと』を読んだときも思ったことですが、日本の投信は、知れば知るほどやる気がなくなります(笑)。

※参考:『投資信託選びでいちばん知りたいこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270001216

本書もまた、こうした日本の投信の問題点を指摘し、その裏にある構造や利害関係などを明らかにした一冊。

架空のものとはいえ、紛らわしい金融広告の例なども挙げられており、具体的にどこに罠が潜んでいるのか、的確に知ることができます。

「分配金をもらっても資産の総量は増えないし、税金も引かれる」
「(ファンド・オブ・ファンズの一部は)売れない投信の在庫処分をしている」

など、歯に衣着せぬ語り口がじつに痛快。

全体から見れば、ごくひと握りではありますが、優良な投信についても言及しており、投信選びのよい指針になるのではないでしょうか。

基本をしっかり押さえたい人にはおすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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窓口ですすめられる投信や大々的に宣伝している投信は金融機関に
とってトクなもの(=投資家にとっては損なもの)が大半

日本の多くの投信において運用成績の足を引っ張っているのは、な
んといっても手数料の高さです

将来のリターンは不確実ですが、コストは確実に運用成績を押し下
げる要因になります

外債投信に投資した場合、投資先の通貨に対して円が強くなると、
つまり「円高・ドル安」や「円高・ユーロ安」になると基準価額
(投信の時価)が下落する要因になります

分配金を受取るたびに税金がかかるため、実際には税金分だけ資産
が目減りしていきます。複利効果も減りますから、分配金を何回に
も分けて受け取るのは資産を増やす上では損

ファンド・オブ・ファンズの魅力としては「優秀な投信を選んで投
資する」という点がよくあげられます。たしかにそういう面はある
でしょう。でもそれは、本当にいい商品がリーズナブルな価格でセ
ット販売されているときにだけ成り立つ話です。現状では、同じグ
ループの投資顧問会社が、手数料が高く成績も芳しくない自社系列
投信を組み入れているような場合もあり、「売れない投信の在庫処
分をしている」という批判もあります

モーニングスターの調査によると、1970年代の信託報酬の平均は0.8%程度だったのですが、2005年には1.5%と倍近くになっています

ITやバイオといった「テーマファンド」といわれるものは特に
”いまが旬”という時期が短いので、初心者が手を出すのは避けた
ほうが賢明

銀行や証券会社は、たくさんの商品を発売して、結果としていい成
績を残した投信だけを大きく宣伝する

いよいよ目標額・期間に達して、投信を売るとしましょう。売却時
に利益が出ていると、利益に対し10%(08年4月以降は20%、買取請求による譲渡益は08年1月から20%)の税金がかかります

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『投資信託にだまされるな!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478000247
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┃▼目次▼

┃ はじめに
┃ 第1章 こんな投信は買ってはいけない
┃ 第2章 これだけ知っておけば金融機関にだまされない!
┃ 第3章 では、どんな投信を買えばいいのか?
┃ 第4章 おすすめの投信と販売会社
┃ 第5章 世代別に見る、投資信託の活用法
┃ 付録
┃ おわりに

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