2007年4月18日

『リクルートのDNA』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047100870

本日の一冊は、人材輩出企業・リクルートの創業者、江副浩正さんによる待望のベンチャー経営論です。

読んでみて驚いたのは、新書とは思えない内容の濃さ。最初の30ページを読むだけでも、経営のヒントがいくつも見つかり、じつにお買い得な一冊です。

「経営の三原則」と「経営理念とモットー」、「マネジャーに贈る十章」は、リクルートの社内で実際に説かれている内容だそうですが、それ自体が立派な経営ノウハウとなっています。

「誰もしていないことをする」「新規事業の立ち上げはボトムアップ、赤字事業からの撤退はトップの決断」などといった行動指針や、マネジャーが「まず周囲に自らを語る」ことの重要性など、経営者からマネジャー、一般社員まで役立つ内容が満載です。

既に多くの媒体で語られているリクルート創業の軌跡や他の経営者の話はやや退屈ですが、「成功する起業家の二十カ条」や実体験のエピソードは読み応えがあります。

これから起業する人のヒントとして、重宝する一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「葉隠」の教えに「武士は己を知る者のために死す」とあるが、ト
ップに自分の名前と能力を知られ、期待されていると社員が感じれ
ば、自ずと仕事へのモラール(やる気)は高まるのである

銀座に本社を建てたあと、出入りの古紙回収業者に言われた。
「リクルートさんは白紙の原稿用紙も捨てておられます。古い伝票
の裏紙を使われる会社もあるのに、もったいないと思います」
私はモノ不足の時代に育っている。話を聞いて後ろめたい気持ちに
なったが、情報の価値は時間の経過とともに下がる。原稿用紙を節
約するよりスピードを大切にしたのである

これまで誰も手がけなかったサービスを提供していく事業には、先
生が必要である。その先生は、新しいお客様と潜在的なお客様である

同業間競争のない事業は、産業として認められない

新規事業は成功するとは限らない。重要なことは、失敗したと思っ
たときに、それまでの努力を惜しまず捨てて撤退することである

大切なものは勇気。「為さざる罪を問う」ことをリクルートのモットーとする

マネジャーは、ともすればメンバーをよく理解しようとすることに
熱心になりがちだが、それよりマネジャー自身の考え方、人格まで
もメンバーによく語り、自らを理解してもらうことが優先されるべき

人に対して分け隔てなく接するのはとても難しいことである。それ
ができるのは、一流の経営者の条件であろう

”企業は人なり”と言う。優れた経営者の条件は、構成メンバーの
人物をよく知り、誰にどの仕事をどのレベルまで要求するかである

積極的に参加した政治家を囲む会への出席はのちに大きな災いとなった

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『リクルートのDNA』
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┃▼目次▼

┃ 第一章 企業風土について
┃ 第二章 私が学んだ名起業家の一言
┃ 第三章 成功する起業家の条件
┃ 第四章 リクルート創業期
┃ 第五章 生き生きと働く風土
┃ 第六章 情報誌の領域を広げる戦略
┃ 第七章 領域の過大な拡大
┃ 第八章 早過ぎた新規事業の立ち上げ
┃ おわりに

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