2007年2月9日

『パワーコンセプトの技術』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820404

本日の一冊は、大前研一の「アタッカーズ・ビジネススクール」の構想力セッションを担当する大人気講師、村山涼一さんが、そのコンセプト作りのノウハウをまとめた一冊です。

一見、シンプルなフレームワークでアイデア発想法をまとめたように思われますが、このメソッドはかなり使えると思います。

「価値とは形態と意味の両方をもっていることが要件」「コンセプトをつくろうと思うのなら、対象カテゴリーには存在しない、新しい観点で切り取ること」などといった、商品開発のヒント。

「心的躍動感を意識的につくると消費者のパーセプションを変えることができる」「人がうまく行動できないのは認知が原因となっているからであり、だからそれさえ修正すれば行動も修正される」といった売り方のヒント。

ビジネスに必要なさまざまなヒントがこの薄い本に凝縮されています。

「ヘルシア緑茶」や「ウコンの力」「TSUBAKI」などのケーススタディからも、多くを学ぶことができるでしょう。

後半には、ヒットを生み出すための発想法もまとめられており、じつに参考になります。

商品開発に携わる人や、マーケティング、営業に携わる人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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Bという商品、サービスが登場することで、生活者のものの見方が
変わり、それによって新たな購買が発生したことがわかる。このも
のの見方が変わることをパーセプション(知覚)の変容といい、こ
れを起こさせる一言のメッセージをコンセプトと呼ぶ

価値とは形態と意味の両方をもっていることが要件

◆Dew、伊賀忍茶、ホリエモンの問題点
共通しているのは、強い形態は残しているのに、肝心の意味がわか
らないという点。だからこれらは価値を形成できなかったのだ

コンセプトをつくろうと思うのなら、対象カテゴリーには存在しな
い、新しい観点で切り取ることが必要

心的躍動感を意識的につくると消費者のパーセプションを変えるこ
とができる

新しい意味とは消費者が潜在的に欲求していることである。すでに
顕在している欲求ならば、それを提示されてもパーセプションが変
わることはない。しかし潜在している欲求ならば、それを提示され
ることによって、「そうだ、これが欲しかった」「なるほど、これ
はすばらしい」という気づきが起こる

ヒット要因を加工するには、ヒット要因をずらしたり、掛け合わせ
たりすることで他のものに変化させる

誰もが商品の形態から認知をはじめる。はじめて商品に接する場合
を想像してみてほしい。その場合、商品のパッケージやネーミング、
成分表示などにまず目がいくだろう

関連しないことを意識的に掛け合わせると、通常ならばタブーであ
ることが解き放たれる。知らないうちに自分でしてしまう「自己規
制」を意識的にさせない。これによって発想に「意外性」が生まれる

人がうまく行動できないのは認知が原因となっているからであり、
だからそれさえ修正すれば行動も修正される

◆6つのレトリック
1.直喩 2.時間転移 3.誇張 4.隠喩 5.矛盾 6.異形

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『パワーコンセプトの技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820404
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■目次■

はじめに
第1章 コンセプト
第2章 ヒットの解読
第3章 意味の加工
第4章 セラピー発想法
第5章 レトリック発想法
おわりに

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