2007年1月18日

『SQ生きかたの知能指数』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313023

本日の一冊は、世界的ベストセラー『EQこころの知能指数』の著者、ダニエル・ゴールマンが、新たに「SQ(=社会的知性)」を提唱した、注目の新刊。

※参考:『EQこころの知能指数』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062562928/

前半で、社会的知性を構成する要素を明確にし、それぞれの要素が欠けていると人間関係においてどんな問題を引き起こすのか、問題を解消するためにはどうすればよいのかを、さまざまな実験結果から導き出しています。

ナルシシズムに陥っている組織の危険性や、共感、同調する能力を欠いた人間の問題点など、じつに示唆するところの多い内容です。

ゴールマンが書いたということで、すっかりビジネス書かと思っていましたが、実際には夫婦関係や子育て、ビジネスにまで幅広く応用できる内容だと思います。

昨今は人間関係をめぐる痛ましい事件や企業の不祥事が相次いでいますが、そういった問題の解消にも役立ちそうな内容で、じつにタイムリーです。

ビジネス的にも、優れた組織作りのヒントとして、また優れたリーダーになるための指針として読むことができます。

ちょっと分厚いので読むのに骨が折れますが、それだけの価値はあります。ぜひ頑張って読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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他者の行動や感情を模倣することによって、ミラー・ニューロンは
外の世界を内側に取りこみ、感覚の共有を可能にしてくれる。他者
を理解するには、少なくともいくらかはその人に似た状態になって
みる必要がある、ということだ

ストレスが大きければ、それだけ相手に対する共感能力は落ちる

◆社会的知性を構成する要素
1.社会的意識
(原共感、情動チューニング、共感的正確性、社会的認知能力)
2.社会的才覚
(同調性、自己表現力、影響力、関心)

学習によって同調性を習得させようとする場合、新しく学習した反
応が自然に実行できるようになるまで「過剰学習」させることが必要だ

自己表現力を最大限有効に発揮するには、特定の社会的文脈の中で
何が適切かを決める文化的規範を読みとる社会的認知能力も重要だ

夫と妻は互いに異なる点よりも似ている点のほうを多く挙げやすい
はずだ――ただし、これは夫婦が円満な場合。そうでない場合は、
違いばかりが目立つようになる

企業内にナルシシズムが蔓延すると、だれかが自画自賛を否定する
声を上げた場合――たとえ正しい情報にもとづく批判だとしても―
―ナルシシズムに浮かれていた人々の気分は惨めにしぼんでしまう。
ナルシシストの精神構造からすると、こうした場合の自動的な反応
は怒りである

パートナーが「安全な港」と「安全基地」として心強い存在であれ
ばあるほど人間は外の世界に立ち向かう意欲をもつことができる

ストレスが長期にわたって続くと、コルチゾールが海馬内のニュー
ロンを攻撃し、ニューロンの新生が不活発になったり、ニューロン
の総数が減ったりする。これは、学習に甚大なダメージをもたらす

リーダーの情動傾向は、驚くほど強い影響力をもっている。たとえ
ば、悪いニュース(ある社員が仕事の目標を達成できなかった、な
ど)であっても、管理職がそれを温かい表情で伝えると、部下はそ
のときのやりとりを肯定的に受けとめる

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『SQ生きかたの知能指数』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313023
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■目次■

プロローグ 新しくわかってきたこと
第一部 人間はかかわりあって生きている
第二部 壊れたきずな
第三部 「生まれ」も「育ち」しだい
第四部 さまざまな愛のかたち
第五部 健全なつながりを求めて
第六部 より良い社会のために
エピローグ ほんとうに大切なこと

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