2007年1月21日

『心の操縦術』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569659306

本日の一冊は、『洗脳原論』などの著書で知られる脳機能学者、苫米地英人さんが、ビジネスリーダーに向けて書いた、注目の新刊。

※参考:『洗脳原論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4393361164/

リーダーが持つべき問題解決の視点と、人の心を操る方法を、身近な例を用いながら、わかりやすく述べています。

興味深いのは、ビジネスが主に抽象的な空間で行われる活動であり、リーダーに求められるのは現場経験よりも視点を高くすることだと述べている点。

また、脳機能学者の視点から、「ゲシュタルト能力を高め、視点の高い情報空間に強い臨場感を感じること」がリーダーに求められていると述べた点は、これまでのビジネス書にはない特徴だと思います。

さらに注目すべきは、リーダーが人に影響を与えるための、具体的テクニックに言及しているという点。

相手の無意識の世界に介入する方法や、相手に好意を持たせる方法など、使い方を誤ると危ないスレスレの話が書かれています。

リーダーの役割や視点、持つべき能力について、従来のビジネス書とは違う指摘をした、興味深い一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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優秀なリーダーかどうかは、情報空間をいかに高い視点から俯瞰で
きるか、にかかっている

視点を高くすると、情報量は減るのです。しかし、潜在的な情報量
は増えます

情報量はないのに、あらゆる状況に対処できる。これが悟りの境地
です。日本で成功したビジネスをアメリカでも成功させる、中国で
も成功させる。それは、瑣末な情報に捉われず、そのビジネスの本
質を見抜いているからこそできることです。視点が高いからこそ、
抽象度を上げているからこそできることなのです

本当に大組織化されていって、本当に問題が本質的なものになった
ときには、現場の知識の寄せ集めでは本質的な解決方法が出てきません

全体は部分がなければ成立しません。このように、全体と部分が双
方向的に関係していることがゲシュタルトです。フレームワークが
わかることで部分がわかる、という関係です

ビジネスは大部分が情報空間、概念の世界でなされているのです。
ということは、そこでいかに活躍するかはゲシュタルト能力の優劣
にかかっている

「会社に貢献すれば給料を上げますよ」というような”人参ぶらさ
げ式”が多いですが、それでは社員が自分のことを考えるようにな
ってしまいます。すると、意思決定の視点が下がってしまいます

効率のよい組織では、タスクによって、リーダーになったり部下に
なったりする

他人を動かすことを考えるには、一つの仮説を信じなければいけま
せん。それは「自分の臨場感のある意識状態は、必ず相手に伝わる」
ということです

ゲシュタルト能力を高め、視点の高い情報空間に強い臨場感を感じ
ることが、そのまま他人を動かすことにつながる

私たちの心は、今、自分が臨場感を持っている世界の支配者(リー
ダー)に対して好意をもつようにできている

過去、現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の
選択をできるのが真実のリーダー

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『心の操縦術』
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■目次■

第1章 真実のリーダー
第2章 リーダーの解決法
第3章 心の操縦術
第4章 「脳と心」のトレーニング
第5章 エピローグ

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