2006年12月17日

『株で大儲けする!心理トレーニングブック』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860590503

本日の一冊は、外国為替の元ディーラーであり、投資関連本の翻訳で知られる林康史さんが、株で勝つための心理学を説いた一冊。

行動経済学の研究成果をベースに、人間が陥りがちな心理バイアス、そして投資の際の意思決定プロセスを説いた、注目の一冊です。

学問的にはすでに確立された分野であり、類書もいくつかありますが、本書の場合、一般の投資家でもわかるよう、身近な例を用いているため、説明がじつにわかりやすい。

各トピックスの冒頭にちょっとしたクイズを設けたり、ところどころにザビエル山田さんのシニカルな漫画を挿入したり、楽しく読めるような工夫もなされています。

株式投資を前提に書かれてはいますが、人生において賢明な意思決定を行うために、読んでおいて損はないと思います。

人間心理とお金、両方と正しく付き合いたい人に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は確実な結果を好むうえに、利益を得る場合はリスクを避けよう
とし、損失を被る場合はリスクをとろうとする心理傾向があって、
それが判断に影響する

自分の心が、どのくらいまでの損失に耐えられるかを知っておくこ
とが重要

多くの人に共通する心理的な傾向で、一つは「損をするのを嫌う」
こと、もう一つは「金額が大きくなると金銭感覚が麻痺する」こと

冷静さを保ち、より的確な判断をするには、自分のことではなく他
人のこととして考えるのがよい方法

人には、自分の持っているものを、「自分の持ち物である」という
だけで、より高く評価する傾向がある

すでに支払ってしまって、もう取り戻すことができない費用のこと
を「サンクコスト」と言います。「つぎ込んだ費用」あるいは「埋
没費用」と訳されることもあります。サンクコストへのこだわりは
誰しも持っていますが、この心理が強い人は合理的な判断が難しく
なることがあります

もともと人間には他の人と同じように行動しようとする習性があっ
て、これを同調と言います。他の多くの人と同じ行動をとることは、
何より安心感があります。どうしていいかわからない場面に遭遇し
たとき、周囲の人と同じ行動をしがちなのです

せっかちに結論を出したがるタイプの人、時間と手間をかけて考え
ることを嫌がる面倒くさがりの人、何かにつけてヤマカンに頼りが
ちな人はヒューリスティックスに頼ってミスをしやすいので要注意

事前確率を無視することは、思い込みや固定観念、先入観、あるい
は典型的な事例を安易に適用・援用するという誤りに通じます

中国の故事に「朝三暮四」というのがあります。猿回しが、飼って
いた猿に木の実を「朝3つ、夕方に4つあげよう」と言ったら猿が
怒ったので、「朝4つ、夕方に3つあげよう」と持ちかけたら、猿
は満足したという話です

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『株で大儲けする!心理トレーニングブック』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860590503
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■目次■

1章 あなたが知らないあなたの投資の”クセ”
2章 あなたの投資判断はこんなに間違えやすい
3章 安易な直感に惑わされないために
4章 株で大儲けする性格、損する性格
5章 市場は収益をあげるビジネスの場
6章 「運用ルール」を持って市場に参加する

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