2006年10月28日

『ワンダーマンの「売る広告」』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798112585

本日の一冊は、世界で初めてダイレクトマーケティングを提唱した
レスター・ワンダーマンによるマーケティングの名著です。

単なるノウハウ書ではなく、著者の半生の仕事を振り返りながら、
マーケティングの本質と技術、実際に効果のあった取り組みを述べ
ているため、じつに読み応えのある読み物に仕上がっています。

今でこそ、ワンダーマンの会社WCJは世界最大のダイレクトマー
ケティングの代理店としてその名を轟かせていますが、その道のり
は決して平坦ではありませんでした。

破れたスーツの尻の部分につぎをあててまで営業に臨み、挙句の果
てにクライアントが倒産。代金を回収できずに会社をたたんだ経験
からスタートした著者が、いかにして這い上がり、成功を収めるに
至ったのか。その経緯が詳しく語られています。

もちろん、マーケティングノウハウとしても秀逸で、レスポンスを
高めるためのアイデアから、効果的なメディアを発掘する方法、コ
ピーの書き方まで、じつに有用なノウハウが盛り込まれています。

ただ、本書の価値をひと言で語れ、と言われたら、それはマーケタ
ーが持つべき「成果に妥協しない心構え」だと言えるでしょう。

ワンダーマンのマーケティングに対する真摯な姿勢や、飽くなき探
究心、そしてその結果もたらされた大成功のストーリーは、マーケ
ティングに携わる多くの人に、この仕事本来の楽しさを思い出させ
てくれるに違いありません。

マーケターや広告関係者はもちろん、経営者、ビジネスパーソンに
もぜひ読んでいただきたい、珠玉の一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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ピーナッツはなかなか売れません。そうなると、費用を削らなけれ
ばなりません。金のかかるものといえば、石炭とピーナッツぐらい。
そこで、石炭をいつも燃やすのはやめて、客に売るピーナッツを暖
めるときだけ火をつけることにしました。ところが、ひとつ大事な
ことを忘れていました。火が燃えなければ蒸気の笛が鳴りません。
笛が聞こえなければ、誰もピーナッツ売りが来たと気づきません。
ついに廃業です。不況のときにこそ笛を鳴らして宣伝すべきです

相手がユニークな解決策を教えてくれそうだとみると、多くのビジ
ネスマンは会社が抱える問題をすすんで話してくれる

広告代理店が提供できるもっとも重要なサービスは、新しく、より
優れたマーケティングのアイデアであることを私は学んだ

大きな広告は金がかかるが、小さな広告よりも費用に対する効果が
高く、利益も大きかった。広告で一番効き目のある言葉は「無料」、
二番目は「新しい」であることも知った

価格にはこれ以上下げられない最低ラインが存在するが、サービス
や才能などの付加価値には限界がない

お金のことは忘れなさい。心から消し去ることだ。重要なのは、毎
日できる限りの努力をして、広告で利益を生む方法を学ぶことだ。
他人がまだ知らないことを発見し続ければ、お金やキャリアはあと
からついてくる

ダイレクトマーケターが使える最大の武器はテストする能力である

顧客はパーキンス(著者のクライアント)と個人的に会ったことが
なくても、彼について知り、信用しなければならない。そしてパー
キンスのほうでも、顧客の名前までとは言わないが、買い物の習慣
については知らなければならない

前菜をたくさん選ぶことができるほど、人が並ぶ列は長くなった

ベストのもの同士が手を結べば、より良くなれる

今までのマーケティングや広告の目的は製品を売ることであった。
これからは、長期的な顧客との関係から製品を売るという目的にな
るだろう。マーケティング投資は消費者の生涯価値に対してなされ
るだろう

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『ワンダーマンの「売る広告」』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798112585
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■目次■

第1章 出発点
第2章 広告代理店としてスタートしなかった理由
第3章 一つ買えばもう一つは無料
第4章 新しいメディアを発見する方法
第5章 ベストセラーを発明する方法
第6章 「優れたコピーは広告である」
第7章 神の補聴器
第8章 『エスクァイア』にオープンした仮想店舗
第9章 世界最大のばら栽培業者
第10章 クラブの威力
第11章 世界最大のクラブの誕生
第12章 魔法の材料「選択」の発見
第13章 外からのさらなる「選択」
第14章 ダイレクトマーケティングの新しいメディアの発明
第15章 アメリカン・エキスプレス・カード
第16章 広告代理店をスタートする方法
第17章 ダイレクトマーケティングをいかに発見したか
第18章 「対話型マーケティング」を発見したアフリカでの生活
第19章 部族長になる方法
第20章 ほかの部族と合併する方法
第21章 新しいダイレクトマーケティングの創造
第22章 スウェーデンのコーヒー王、アメリカにメールで上陸
第23章 光陰矢のごとし
第24章 フォード車を一回に「少し」ずつ売る
第25章 当店ではアメリカン・エキスプレス・カード歓迎
第26章 未来への道は
第27章 インターネット

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