2006年9月26日

『未来を変える80人』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245314

本日の一冊は、ブラジルで出会った2人の著者が、38カ国、113団体
を取材し、そのなかから感銘を受けた社会起業家とそのビジネスを
全部で80紹介した一冊です。

登場するのは、「貧者の銀行」グラミン銀行を立ち上げ、大成功を
収めたムハマド・ユヌスや、スローフードを提唱したカルロ・ペト
リーニ、リスクを冒して生ゴミのリサイクルに挑んだイフテカ・エ
ナユツラ&マクスード・シンハ、そして合鴨農法を開発した日本の
古野隆雄など。

彼らの敵は環境破壊だったり、貧困だったり、暴力だったりするわ
けですが、すべての起業家に共通するのは、リスクを厭わない志の
高さと、そのリスクを打ち消す創造力。

プライベートでの安定を捨て、事業に挑むその姿から、読者は多く
のことを学べるに違いありません。

彼らの活動は、単なる慈善事業ではなく、世界規模での「ムダとり」
であり、創造力が生み出す画期的ビジネスであり、また人としての
幸せな働き方の追求のプロセスでもあります。

柔らかい表紙からは想像もつきませんが、じつは、起業家の心に火
をつける、刺激的な読み物です。

人間はどこまで行っても創造的に問題を解決できる。そんな希望を
もたらしてくれる一冊だと思います。

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■ 本日の赤ペンチェック
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「自覚と決意をもった人々が集まれば、どんな小さなグループでも
世界を変えられる。それを疑ってはならない。それだけは絶対に信
じなくてはならない」(マーガレット・ミード 人類学者)

たった今、すごいなと思える技術でも、それが未来の破滅につなが
るようでは何もならない。僕らは進歩という概念に振り回されてし
まっている。近年の技術革新によって、進歩礼賛の風潮が生まれた。
だが、これだけ環境問題が逼迫している以上、僕らは考え方を改め
なくてはならない

彼は、気がついた。顧客は、溶剤の量に対して金を払うのではなく、
その機能、つまりは金属への洗浄効果に対して金を払う(中略)発
想を変えると、溶剤は効果を得るための手段でしかなく、循環可能
だということに思い当たった(中略)塩素溶剤は商品として販売さ
れるのではなく、ある種「レンタル」されるのである(中略)溶剤
の売り上げが減少しているにも関わらず、セフケム全体の売上高は
増加している

「貧者の銀行」グラミン銀行は、一九七六年にベンガルで誕生し、
同地方の二十、四十、百の村へと急速に発展していった(中略)こ
の銀行はまさに一大企業に成長していたのだ(労働者の四人に一人
がマイクロクレジットの融資を受けている)。四万六千六百市町村
に支店をもち、四十五億ユーロ以上の資金を1千二百万人に融資した

社会企業の方が、従来の企業よりもずっと将来性があるというのが
ユヌスの持論だ。彼は機会あるごとに、若者に対してこう言ってい
る。「仕事を探そうとするな、仕事をつくれ!」

ひとつ言えることは、実践主義と強い意志こそが、社会起業家に必
要な資質だということだ。世界を変えたいという思いだけではなく、
長期的な視野をもち、世間の関心が薄れても、維持してゆけるだけ
のシステムを確立しようという野心が必要なのだ

◆アメリカ初の共有自動車運営会社フレックスカー
システムは単純だ。二十五ドルの年会費を払ったあとは、電話やイ
ンターネットで市内の専用スペースに駐車中の車両を予約する。会
費と引き換えに配布される電子カードをキー代わりにして車両に乗
車、車を返すとその時点で旅程が衛星通信で送信され、後日請求書
が届く。料金は一時間六ドルから九ドル。車両の使用料、走行距離
に応じた料金、ガソリンも保険も全部込みでこの値段だ

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『未来を変える80人』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245314
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■目次■

1.ヨーロッパ
2.アジア
3.北アメリカ
4.南アメリカ・アフリカ

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