2006年7月8日

『末期ガンになったIT社長からの手紙』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344011732

本日の一冊は、33歳でガン発病、35歳で再発、余命3ヵ月の宣告を
受け、現在も闘病を続けるIT企業社長が、闘病生活で得た気づきや
心情の変化を綴った、衝撃の一冊です。

既にテレビなどでも取り上げられ、話題となっていますが、じつは
この藤田氏は、土井のアマゾン時代からの知人。

仕事ができるのに決していばることはなく、謙虚で気さくな方でし
たが、まさかこんなことになっているとは思いませんでした。

土井が最後にお会いしたのは、再発が確認される前でしたから、ま
さに彼が言うところの「ロングバケーション」だったわけですが、
今は本にもあった通り、余命いくばくかの状況になっているようです。

いわゆる「ガン闘病記」と比べると悲壮感がさほどありませんが、
文脈からは時折、著者の悲痛な叫びが聞こえてくるようです。

生き急いでいた人生を振り返り、成就できなかった恋愛や、家族を
持てなかった後悔を語るくだりは、忙しさで生活を見失っている現
在のビジネスパーソンに、貴重な教訓を与えてくれます。

生き急いでいるすべての若者に、そしてこれから老いや病気と闘う
人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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「夜明け前が一番暗い」といいます。人間は意外と強いものです
どん底で最後のパワーが湧いてくるようです

20代の頃、心の底から愛した恋人との結婚より仕事を選びました。
墓場まで持っていくしかない大きな秘密を抱えました

多くのガン患者が最初の告知より再発の告知にショックを受けます。
パニック障害や鬱病になる人も少なくありません。自殺をする人も
最初の告知より再発の告知の後の方がずっと多いそうです。それは
一縷の希望を繋いで生きていた人が希望を奪われるからでしょう

私はいつも焦っていたような気がします。常に最短コースを探して
いました。今から考えると、私はガンという病気になる前から自分
が享受できる時間が少ないことを本能的に知っていたのかもしれません

何十年続くと思っていた、こんな当たり前の日常さえ、自分にはも
うあまり残されていないかもしれなかった

死んでも悔いの残らないようなもの、再発した際、心の拠りどころ
になるようなものを得たい

できることなら、人生で一番、何がしたいか? そう訊かれたら、
必ず、私はこう答えるでしょう。「燃えるような恋をもう一度してみた
い」

立ち止まることによって、明らかに自分を取り巻く「時間の流れ方」
が変わりました。それはイコール、あらゆる考え方や気持ちの持ち
ようが変わったことを意味します。私は「安心」を手にしました

「これからの自分の人生は、肩の力を抜いてもいいのだ」というこ
とに気づきました。「完璧さを求めるってことは、ただ、自分のプ
ライドを満たすためだけのことだ。つまり、自己満足なのだ」とい
うことに気づいたのです

そして気づきました。この1年半がとても貴重で幸せだったことを。
次に「それはなぜだろうか?」とも考えました。答えは明白でした。
自分にはやるべきことがあったし、生きる意味と希望に溢れていた

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『末期ガンになったIT社長からの手紙』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344011732
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■目次■

1章 再発、余命宣告
2章 最初のガン告知
3章 2アウト満塁の2割バッター
4章 人生のロングバケーション
5章 事業計画「人生の総仕上げ」

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