2006年7月2日

『儲かるお店は「見た目」で決まる』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408395919

先日、渋谷を訪れた時に、昔からあったと思われるマッサージ屋さ
んが、大きな看板を出しているのを見て、驚きました。

おそらくかなりのお金がかかったと思われますが、アジアン・ヒー
リング・テイストでスタイリッシュな看板は、ここがその他のうさ
んくさいマッサージ屋とは一線を画していることを示しています。

「そもそも店があることに気づかない」客や、「うさんくさいから
入らない」客がいることを考えれば、この看板はきっとペイするは
ずです(だって他のお店がちゃんとやっていないから!)。

そう考えると、普段何となく見ている看板ですが、使い方次第では
ものすごいビジネス・インパクトにつながるはず。

本日の一冊は、まさにその看板の有効活用を軸に、店舗の経営とマ
ーケティングについて論じた一冊です。

著者は、ご存じ、ランチェスター経営の竹田陽一さんと、看板業界
のトップコンサルタント、小山雅明さん。

既に中小企業の経営において威力を発揮している「ランチェスター
法則」を、店舗経営に応用するコツ、そして店舗が発する「メッセ
ージ」の重要性について、プロの立場から論じています。

マーケティングに関する部分は、入門的な知識が多く、類書とさほ
どかわりませんが、看板やデザインに関する部分は、心理学の要素
も織り交ぜており、読み応えがあります。

著者が手掛けたものを中心に、写真入りで事例も紹介されており、
実際の店舗経営にはかなり役立つことと思います。

個人的には、不適切と感じていたセブン&アイ・ホールディングズ
のレストラン部門(デニーズ)の看板をあっさり否定してくれて、
じつに痛快でした(紛らわしいんですよね、あれ)。

お店を経営している方、これから起業しようと考えている方は、ぜ
ひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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成功する店舗は、経営者が自らの理念を持ち、それを何とか店舗、
特に”看板”に表現しようと考え抜いている

◆ランチェスター法則式SIの要素 ※一部紹介
4.ターゲットの感性をつかむ
7.目的買いか衝動買いなのかを見定める
13.単品志向とコーディネート志向の見極め

「集客がいまひとつ弱い」「客層が安定しない」「来て欲しいと思
うお客様とは、どうも違うようだ」「常連客が顔を見せないように
なった」などと感じるようになったならば、SIに問題のあることは確

どういうときに、どういう場面で使ってほしい商品かを、シチュエ
ーションを使ったシズル感で訴求して売る

あなたのお店の「お客様」とは「強み」に共感してくれるお客様

SIは競合店とは異なる市場の細分化(セグメンテーション)
~標的市場の選定(ターゲッティング)によって行われる

人には相性がある。相性の合わない人とのコミュニケーションを無
理して行おうとするよりも、相性のよいお客様だけを相手にするほ
うが、あらゆる面でプラスになる

バナーやのぼりなど動くものは注意を引きつける力が大きい

一度設置したものを、そのままいつまでも使ってはいけない

人は見慣れたもの、言葉、活動を選択する傾向がある

文字情報にフォルムを加えると、文字だけの表現に比較して感情が
加わり、受け手にとってはより理解しやすくインパクトの強いサインと
なる

矢印は人の深層心理に働きかける

手作りの商品やおもてなしの心を大切にしたいサービス業のSIで、
ミスマッチを起こしているのが素材の選定である

食関連の店舗であまりリアルなキャラクターを使うと逆効果

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『儲かるお店は「見た目」で決まる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408395919
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■目次■

はじめに
序章 魅せるお店にはルールがある
第1章 ショップ・アイデンティティ(SI)とは何か?
第2章 あなたのお店を自己診断してみよう
第3章 SIを生かしたサインの表現
第4章 マーケティングとSI
第5章 地域ナンバーワンを目指すランチェスター法則式SIの実践
第6章 ランチェスター法則式SIのサイン表現ポイント
第7章 看板で劇的に変わる集客
終章 我が社のランチェスター法則式SI
あとがき

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