2006年7月7日

『ダイエーを私に売ってください。』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198621624

本日の一冊は、経営破綻した老舗・洋菓子のヒロタを、たった3年
で立て直した著者が、その独自の経営論を語ったものです。

『ダイエーを私に売ってください。』というセンセーショナルなタ
イトルと、強気な物言いが、人によっては反発を感じるかもしれま
せんが、内容的にはなかなか気づかされるものがあります。

規模こそ違えど、同様の危機に陥っていたヒロタとダイエー。その
共通点をあぶり出し、商売の本質を導き出してくるあたりは、なか
なか読み応えがあります。

著者が実行した再生プロセスは、全体的に見れば、ほぼセオリー通
りですが、具体的な施策には目を見張るものがあります。

著者の会社(21LADY)の宣伝が過ぎることや、好感度的に引っ掛か
ることを除けば、なかなか楽しい読み物です。

企業再生モノが好きな方、小売りビジネスに関心のある方、そして
ダイエー幹部の方は、ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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(ダイエー)再生のカギは「中内商法」への原点回帰にあり

まずは「本物」であること。健康志向・安全志向はもはや全世代共
通のニーズです

今の消費者が強く意識しているのは「無駄のない買い物」。いい物
にはおカネは惜しまないけれど、無駄遣いは1円でもしたくない

「シュークリームのヒロタ」として誰もがその名を知っているほど
強力なブランド力がありながら、自らその価値をないがしろにして
しまった。そこで、私はそれまでのやり方をすべてひっくり返しま
した。不振の外食事業から撤退して本業のシュークリームの販売に
回帰させ、商品アイテムも絞り込んだのです

「ブランド再生」の要件とは何か? キーワードは、「定番」「ア
ナログ」「温故知新」です

そのブランドがなぜ価値を持ち得たのか、創業の精神に立ち返って
足下を見直すことは最も大事な仕事です

唖然としたのは、自分たちが売っている商品を「買ったことがない」
と答えた社員がゴロゴロいたこと

企業経営やビジネスに奇策はありません

「職」「遊」「学」の3分野は、「新しい女性たちの生き方」を提
供するニューサービスが続々と誕生している成長分野

低迷・衰退産業こそ宝の山

ポイントは「伸びる仕組み」を作ること。消費者のニーズの変化を
つかみ、現代流にリニューアルして商品・サービスを提供する。顧
客満足度の高い店舗オペレーション、マーチャンダイジングを展開
すればよい

「衰退産業」を「プロの消費者」の視点でリフレッシュ

抜擢人事でやる気を引き出す

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『ダイエーを私に売ってください。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198621624
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■目次■

序章 ダイエーを私に売ってください。
1章 「温故知新」と「女尊男卑」で再生した『洋菓子のヒロタ』
2章 スピード重視の再生ビジネス
3章 低迷・衰退産業こそ宝の山
4章 「プロの消費者」がニュービジネスを創る
5章 おカネの正しい集め方・使い方
6章 役に立つ人脈の作り方と効果的プレゼン術
7章 広野流“やってみなはれ”の人財活用術
8章 「丹後商人」の遺伝子と「お嬢さん感覚」の融合
終章 女性たちよ、大志を抱け!

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