2006年7月27日

『「物語力」で人を動かせ!』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837921795

先日、セミナーの受講生から、手紙で本をご推薦いただきました。

丁寧な手紙が添えられており、「これは土井さんが講義で伝えてい
る話を補ってくれるものだと感じています」とあったので、思わず
本棚にあるにもかかわらず気乗りしなかった本を手にとってみました。

ところが、いざ読んでみるとこれは確かにおもしろい。やや「玄人
受けかな?」と思うところもあるのですが、表現をしたい人にとっ
ては、役立つ内容、ということでご紹介することにします。

著者は、かつて日本経済新聞のデスクを務めた人物で、現在は広報
コンサルタントとして活躍中の人物。

そんな情報伝達のプロが、物語手法を用いて、人を動かすためのテ
クニックを説いたのが、本書です。

テレビ番組やスポーツ記事、開発物語など、実際のストーリーをも
とに、その骨格と原則を説いたもので、じつに参考になります。

書き手となる人物はもちろん、ビジネスに物語手法を生かしたい、
という人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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面白いことに、日本で「論理力」がブームになったのと同じタイミ
ングで、米国では「物語法」が注目を集めはじめました

◆コミュニケーションのプロセス
1.相手の言っていることを理解する
2.自分の言いたいことを論理的に構想し、構成する
3.構想し、構成した内容をわかりやすく表現し、相手に伝える

◆物語の吸収のプロセス
「共感」「感情移入」「想起」「想像」

「物語」には聞き手の先入観を溶かし、修正するパワーがある

私たちがしなければならないのは、仮説を形成するまでの「帰納プ
ロセス」に働きかけることです

相手の「物語」を覆すには、「別の物語」で対抗するしかありません

当事者が自分たちの経験に感動したり、面白く思ったりするのは当た
り前です。しかし、その感動や面白さは外部の第三者にはなかなか伝
達できません。それを効果的に伝える方法が「物語形式」への変換

◆脚本家養成者のロバート・マッキー氏の「3つの質問」
1.主人公の願望は何か
2.あなたの願望追求を妨げる障害物は何か
3.障害物を乗り越えるために、どのように決意し、行動するか

◆面白いストーリーの「5つの変化」
「誘因」「紛糾」「危機」「山場」「解決」

「再現」した出来事を「物語」に落とし込むための「3系列」
1.行動や出来事を「再現」
2.それによって何がどう「変化」したのかを説明
3.その変化が主人公にとってどのような「意味」を持つのか評価

コンテクスト(願望、障害、苦労)を取り込むことによって、1枚
の新製品リリースからでも「物語」が浮かび上がる

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『「物語力」で人を動かせ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837921795
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■目次■

1章 これが論理を超える「物語」の説得力!
2章 「言いたいこと」を「物語形式」にするテクニック
3章 こんな「ストーリー展開」が、人の心をつかむ!
4章 実践 「物語法」をプレゼンに生かす!
5章 ビジネスリーダーのための「物語」活用法
6章 企画、営業、マネジメント 「物語」はこう生かせ!
7章 「物語的な仕事」ができる人の共通点

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