2006年6月27日

『2ちゃんねるで学ぶ著作権』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756147704

本日の一冊は、「2ちゃんねる」管理人の西村博之さんと、弁護士
で元アップルコンピュータの法務部長だった牧野和夫さんが、わか
りにくいネット上の著作権について論じた一冊です。

知的財産権について書かれた本は山ほどありますが、インターネッ
トの著作権にはいまだに不明瞭な点が多く、詳しく書かれた本はそ
れほど多くはありません。

本書は、「2ちゃんねる」で話題となった電車男、のまネコ、ビス
ケたんなどを題材に、実際にネットの世界でありがちな知的財産権
の話を取り上げており、ブログやウェブサイトを持っている方にと
っては、必読の一冊です。

2人+編集者の鼎談形式で進められているので、文章は読みやすい
のですが、かといってありがちな対談、鼎談本にありがちな内容の
薄い本ではありません。

当然、途中におふざけが入ったりはしますが、内容はいたって真面
目で、問題の本質を突いていると思います。

著作権の基礎を学ぶためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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基本的に「思想又は感情を創作的に表現したもの」であれば著作物
ですので、顔文字に著作権が認められる場合もあ

著作権は権利主張が自由にできる反面、侵害に対しても弱い面がある

◆著作人格権
公表権:著作物を公衆に公表するしないかを決める権利
氏名表示権:公表する際にどんな名前を表示するか、出さないかを決め
る権利
同一性保持権:意図に反して著作物を改変されない権利

引用なのかパクリなのかは、引用する側の著作物とされる側の著作
物のどちらかが主でどちらかが従なのかの関係で決まります

あまりにも個人が特定できてしまうような書き込みでその人の名誉
を損なうような内容の場合、差し止められる可能性がある

データベースの著作物として保護されるのはデータベースシステム
そのものであって、データベースの中身は含まないのです。データ
の選び方や分類方法にオリジナリティがあるか、独創性があるかが
重要なんです

商標は商品につけて識別するためにあります。したがって、原則と
して過去に類似した商標が登録されていなければ通ります。先に申
請したもの勝ちの「先願主義」なのです

原作の表現との同一性や特徴を感じられなくなるまで改変すれば独自創

ニュースサイトの見出しが著作物として認められる可能性は低い

風俗嬢であっても、風俗誌に何度も載っているようであれば公人に
相当しますから。人格権の部分は少なくなります

精巧なアスキーアートは写真と同じ扱いになり、複製権の侵害にあたる

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『2ちゃんねるで学ぶ著作権』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756147704
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■目次■

第1章 著作権の基礎
第2章 「2ちゃんねる発」コンテンツの著作権
第3章 コピー&ペーストはどこまで合法か
第4章 「それって合法?」身近な法律問題
第5章 不正利用に強い利用規約
あとがき

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