2006年4月3日

『仮説思考 BCG流問題発見・解決の発想法』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555552
本日の一冊は、戦略系の有名コンサルティング会社、ボストン コン
サルティング グループのシニア・ヴァイス・プレジデントである著
者が、「仮説思考」の重要性と、その活用法を説いた一冊です。

慎重に物事を進める方の中には、すべての情報や選択肢を並べてか
ら判断したい、という方もいますが、著者によるとそれでは非効率。

著者の言葉を借りると、「仕事ができる人は、人より答えを出すの
が早い」のであり、その理由は「仮説思考」を使っているためです。

つまり、先に仮説を立てて、後からそれに必要な情報収集をするた
め、情報収集にかける時間が節約できる、というのが特徴です。

もちろん、そういったやり方では、「間違ったストーリーをつくっ
てしまうのでは」という心配を招きますが、著者によると、そのよ
うな場合には、「証拠集めを始めた段階で、仮説を肯定するような
証拠がなかなか集まらない」とのこと。

それでも、リサーチの結果を本人がどう受け止めるか、という問題
は残りますが、確かに実務家の立場からすれば、説得力はあります。

本書には、仮説検証のフレームワークのほかにも、事例やエクササ
イズが用意されており、仮説思考力を高めるには最適の一冊です。

見た目によらず、文章も読みやすいので、ぜひチャレンジしてみて
ください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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あらゆる情報を網羅的に調べてから答えを出していくには、時間的
にも資源的にも無理がある

仕事の速い人は限られた情報をベースに、人より早くかつ正確に問
題点を発見でき、かつ解決策につなげることのできる思考法を身に
つけている

仕事の進め方で大事なことは答えから発想することだ

ビジネスパーソンにとって大切な能力は、先見性、決断力、実行力
の三つである

意思決定をするときには、いますでにある選択肢を狭めてくれる情
報だけが役立つ

(ビジネスの答えは)すべては相対的であり、自社が何をするかに
よって、相手の動きも変わる。となれば、数学のような答えを求め
るよりは、自社がこう動くと取引先や消費者はどう動き、それに対
して競争相手がどう反応するかということを読み解くことにカギがある

仮説→実験→検証を繰り返すことによって、個人や組織の能力は向上する

組織では企画提案や提言の内容が簡単でわかりやすいほど行動に移
しやすく、変化が起こりやすい

質問は深く掘り下げていく必要がある。仮説を立てるためにも、仮
説を進化させるためにもこれはとても重要

◆幅広く考える方法
1.反対側から見る(顧客・消費者、現場、競争相手の視点)
2.両極端に振って考える
3.ゼロベースで考える

よい仮説の条件とは、「一段深く掘り下げたものである」ことと、
「具体的な解決策あるいは戦略に結びつく」ことの二つ

よい仮説は、経験に裏打ちされた直感から生まれる
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『仮説思考 BCG流問題発見・解決の発想法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555552
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■目次■
はじめに
序章 仮説思考とは何か
第1章 まず、仮説ありき
第2章 仮説を使う
第3章 仮説を立てる
第4章 仮説を検証する
第5章 仮説思考力を高める
終章 本書のまとめ
あとがき
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