2006年2月23日

『図解でわかる投資ファンド』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534040156
本日の一冊は、M&Aなどにより、日本でも最近注目を浴びてきた「投資ファンド」について、わかりやすくその実態を解説したものです。

投資ファンドには、買収ファンドをはじめ、再生ファンド、ヘッジファンド、不動産投資ファンド、ベンチャー・キャピタル・ファンドなどがあり、本書では、それらの違いを解説。また、それぞれの分野で代表的なファンドを挙げています。

本書を読めば、一般の目からは見えにくい投資ファンドの動きが、いかに日本経済に大きな影響を与えているか、よくわかります。

裏事情を知るという意味では、個人投資家が読んでも参考になりますが、どちらかというと、プレイヤーとしての投資ファンド、そしてその手法を知るための本、といった印象です。

投資ファンドについて、その実態を知っておきたい方には、手軽で読みやすい一冊だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆日本のファンドの市場規模 ※一部紹介
・ベンチャー・キャピタル・ファンド:」8800億円(2004年3月)
・日本の銀行によるヘッジファンド投資額:6.1兆円(2005年3月)
・不動産投資ファンド:3.3兆円(2005年6月)
・J-REIT(日本版不動産投資信託):2.7兆円(2005年11月)

<ヘッジファンドの運用スタイルの変化>
90年代に低利の資金を多額に調達して、レバレッジ(てこの原理)を効かせて資本金の10倍~30倍の投資を行なってきましたが、1998年の米国大手ヘッジファンドのLTCMの経営破綻をきっかけに運用手法は変化しています。2000年頃からは3倍~5倍のレバレッジに落としてリスクと投資を厳格に管理しながら運用しています

投資ファンドの有効活用は、企業の事業再構築の選択肢に大きな比重を占めています

◆投資ファンドの報酬システム
・マネジメント・フィー(管理報酬):運用資産額の1~2%
・インセンティブ・フィー(成功報酬):利益額の15~30%

◆バイアウト・ファンドの手法
・TOB(テイクオーバー・ビッド)
株式公開買い付け。企業の支配権の取得・強化を目的として、不特定多数の株主に対して、一定の期間内に一定の数量以上の株式を、一定の価格で買い付けることを公表して行ないます
・MBO(マネジメント・バイアウト)
企業内部の経営者、幹部役員が、現在の事業の継続を前提として、外部の投資家によって構成されるグループとともに株式を買い取る
・MBI(マネジメント・バイイン)
MBOの派生型。企業を買収した投資ファンドがその企業に外部から経営者を送り込んで立て直しを行ないます。
・LBO(レバレッジド・バイアウト)
買収対象企業の資産や将来のキャッシュフローを担保に、買収資金の大半を借り入れで調達して買収を行なう手法

2004年の信託業法改正によって、著作権などの知的財産権を信託財産とする、ファンドでの新しい資金調達手段への道が開かれました。それがコンテンツファンドです
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『図解でわかる投資ファンド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534040156
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■目次■
第1章 投資ファンドの全体像を知る
第2章 投資ファンドの種類Part1 バイアウト・ファンドなど
第3章 投資ファンドの種類Part2 ヘッジファンドなど
第4章 投資ファンドの戦略の実際
第5章 事例で見る投資ファンドの最前線
第6章 投資ファンドをめぐるプレイヤー
第7章 投資ファンドを資産運用に活用する機関投資家
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