2006年2月19日

 『「へんな会社」のつくり方』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798110523
本日の一冊は、株式会社はてな代表取締役、近藤淳也さんによる、注目の新刊です。

もともと、CNETブログで連載されていた内容に、社員のホンネや本人の語り下ろしインタビューを加え、書籍化したもので、謎の企業「はてな」の実態に迫る、興味深い内容となっています。

立ったままで行われる会議、毎日の席替え、サービス開発のための合宿、社員の8割が自転車通勤…。

タイトル通り「へんな会社」の変な経営が、どのような目的で行われているのか、そしてその根底にある著者の哲学は何なのか、興味深く読むことができます。

はてなの経営スタイルは、これまでの企業経営の常識に一石を投じ、情報化時代の企業のあり方にひとつのモデルを示したと言えるのではないでしょうか。

とくに、社内外の情報共有や、変化を先取りするためのアイデア抽出法・実践法は、一見風変わりですが、じつに理にかなったやり方で参考になります。

これからの企業経営に必要不可欠な知恵と、それを生み出す人間。その活用法を真剣に考える経営者に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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世の中は、誰かが適当に作った、とんでもなく”でたらめな仕組み”で動いている

ルールなんていうのは、たくさんある可能性の中の単なる1つに過ぎない(中略)ルールはハックするから面白くなる(中略)ルールを作り変えるときに一番重要視するのは、「たくさんの人がなるべく楽しめる」こと

社内と社外の情報共有を行うには、その前に必ず「社員個人のコミュニケーション能力の向上」や、「社内での情報共有」という問題を解決しなければ、なかなか前に進むことはできません

情報共有とは、「自分のこと」を「多くの人のこと」に変える方法

◆はてなが行っている変わった仕事のルール ※一部紹介
・立ってミーティングを行う
・(オフィスでは)前日と同じ場所に座ってはいけない

ドッグイヤーという言葉があるように、人間の何倍もの速度で育つ犬のようなスピードでどんどんと物事が変化していく世界(中略)そこには、新しい視点で既存の仕組みを破壊し、物事を再定義するような力がいつも求められています

まだアイデアが生まれたばかりで、これからどんな形を与えられて育っていくかも分からない段階に、ありきたりの否定的な意見でその可能性を潰してしまわないためには、議論を「連続的」な問題と「非連続的」な問題に、あるいは「実運用に向けた現実的な議論」と「可能性を考えるブレスト的な議論」に分け、それぞれに対して適切な態度に望むことが重要

そもそも人生に目的なんて無いのですから、真剣に取り組めるゲームを各自が探さなくてはなりません

10年もすれば「ユーザーからの意見が隠蔽されて、会議の内容も聞けないような会社なんて信用できない」といった社会になっているかもしれません
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『「へんな会社」のつくり方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798110523
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■目次■
はじめに インターネットは知恵の増殖装置
01 情報を共有する
02 仕事をする場所
03 ユーザーとともに
04 はてなの周縁から
おわりに 18歳の自分に向けて
近藤淳也のハイリスクで魅力的な二面性(梅田望夫)
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