2005年12月9日

『ザ・キャッシュマシーン』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478530394

本日の一冊は、世界で1000万人が読んだ大ベストセラー『ザ・ゴール』の知恵を、営業戦略に活かす、というコンセプトの本です。

※参考:『ザ・ゴール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420408

『ザ・ゴール』同様、小説スタイルでTOC(制約条件の理論)の実践プロセスが描かれており、はじめてTOCを学ぶ人でも理解できるよう、工夫されています。

話をかいつまんでご紹介すると、小説の舞台は、グラフィック・アート業界にあらゆる機器を提供している、業界リーダーのCGS社。

主人公のロジャーは、CGS社の最近の業績の低迷を受けて、ベテランのピアースの代わりに、営業本部長へと任命されます。

入社以来、営業の経験を持たない自分が、なぜ営業部門のトップなのか。ロジャーは、はじめ戸惑うばかりでしたが、やがて、TOCに活路を見出し、目覚しい業績をあげていきます…。あとは読んでのお楽しみです。

本書によると、「TOCの目的は、企業マネジメントをアートからサイエンスに変えることにある」そうですが、本書はまさに、これまでアートだと考えられていた営業を、サイエンスに変えた、画期的なプロセスを示しています。

このプロセスは、組織的に営業活動を行なう場合はもちろん、個人で行なう場合にも、大いに参考になるはずです。

非効率な営業活動を改善すべく、ITや人員を投入しようと思っている社長さん、あるいは業績を改善したい営業マンに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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システム全体のパフォーマンスは、実は、数少ないいくつかの制約条件によってのみ左右される

◆TOCで使用する、継続的改善のための5つのステップ
ステップ1.制約条件を見つける
ステップ2.制約条件を徹底的に活用する
ステップ3.非制約条件を制約条件に従属させる
ステップ4.制約条件の能力を高める
ステップ5.ステップ1に戻る

多くの場合は、すぐにステップ4に行って、組織のボトルネックである制約条件の能力を高めようとしてしまいます。しかし、これはしばしばスタート地点として間違っています。それにコストも高くついてしまいます。たいていは、機械などのリソースを追加して能力を高めようとするからです

一つの生産ラインにボトルネックは二つはない。一つしかないんだ。だからボトルネックは一つずつ解消していかなければいけない

しばしば、物ごとは惰性が原因で存在していて、合理的な存在理由を欠いている場合もある

保護用の時間を残して、ステップが時間内に終わることなどない

成長は結果だ。行動の結果であって、原因ではない。成長できれば、それはすばらしいが、成長を支える真の土台もないのに、成長を強要すると大惨事を招きかねない

一つプロジェクトが完了したら、その時はじめて、もう一つ別のプロジェクトに取りかかっていい

◆三つのバッファー
1.プロジェクト・バッファー
2.合流バッファー
3.リソース・バッファー

プロジェクト・マネジメントにおけるTOCの場合は、クリティカルチェーンとバッファー・マネジメントの二つの要素がある

制約条件が社内にある場合は、完全に自分たちの管理下にあり、ゆえに影響も及ぼしやすいのですが、制約条件が外部、例えば市場にある場合は、私たちが及ぼすことのできる影響力は、顧客や競合他社の行動、そして時には、いま世界で何が起きているのかなどといったことまで考慮しなければいけません
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『ザ・キャッシュマシーン』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478530394
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■目次■
1.苦境
2.マーケティングの宿題
3.「本当に」
4.ボトルネックはどこだ
5.急がば回れ
6.二兎を追うものは
7.期末症候群
8.新しいインセンティブ
9.キャッシュマシーン
10.さらなる挑戦
解説
訳者あとがき
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