2005年11月30日

『ザ・トヨタウェイ実践編(上)(下)』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244776
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244784

本日の一冊は、大好評を博した『ザ・トヨタウェイ』の実践編です。

前作で紹介した4Pモデルにはじまり、具体的なトヨタの思想や作業プロセス、知識共有のしくみが、事細かに書かれています。

実践編というだけに、「トヨタが何をやっているのか」が具体的に書かれていますが、その「ムダ」を極力なくしつつ、「人間らしさ」へも配慮したシステムには、美学さえ感じられます。

ここで述べられている考え方は、生産現場のみならず、あらゆる作業プロセスに応用できる考え方ではないでしょうか。

マネジメントとはどうあるべきか、人を生かす現場作りとは何か、考えさせてくれる一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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【上巻】
『ザ・トヨタウェイ』で説明した4Pモデル
1.長期的考え方 
2.プロセス
3.人とパートナー企業 
4.問題解決

トヨタは常に、顧客、社会、そして経済に対して価値を創造するところから出発する

トヨタは、与えられた環境下で最大限に負荷を安定させるうまい方法をいくつも見つけ出すように努力する

トヨタ社内には、どこにでも標識やラベルが掲示されている。なぜだろうか。理由は、ヒトが視覚で理解する動物だからだ

学習は人が行うのであり、組織的な知識を守るためには、低い離職率、ゆっくりした昇進と注意深く準備された後継者育成計画が必要

あなたの会社が500年後に何をやっているかを知る必要はない。問題は、会社が500年間継続できるようなビジョンを持っているかどうかだ

トヨタはパートナー企業に対して常識では考えられないような投資を行う

人が決められた仕組み以外のことをしている理由は2つある。1つは、それが許されているからだ。そして、2つ目は彼らには仕事上の責任があり、今の仕組みではそれが達成できないからだ

狭い目標を追求すると、あるムダは取れるが別のもっと重大なムダが発生することが多い

トヨタウェイでは、生産を止めて問題点を解決することは長期的な生産性を高めることに通じると示唆している

あなたがムダを見つけて作業者にそれを指摘すると、それがなぜ必要かという説明をはじめる。しかし、あなたが作業を図にして作業者にその図を見せると、「これはまずい作業方法ですね。変えた方がいいですね」という反応が返ってくる

【下巻】
成功と失敗の差がリーダーシップからはじまるのは明白である

リーダーの成果を測る指標
1.安全 
2.品質 
3.生産性 
4.コスト

トヨタが焦点を当てるチームメンバーのスキル
1.やる気と仕事との適合性 
2.チームメンバー適性
3.チームリーダー適性 
4.積極性 
5.業務能力 
6.適応性
7.問題の発見と解決能力 
8.仕事のテンポ 
8.コミュニケーションスキル

トヨタが実践しているパートナーシップの考え方 ※一部紹介
1.リーンな顧客としての模範になる
自分でマスターしていないことは部品メーカーに教えることはできない
2.自社のコアコンピテンシーを発見する
アウトソーシングは、単純な内製か外注かという判断以上のものを必要とする
5.漸進的なアプローチを使う
新しい部品メーカーの能力を試すために小さな注文からはじめる
6.一緒に学ぶ仕組みをつくる
一緒に学び、学習を標準化されたルーチンで捉える

問題の本質を理解することは、現実のプロセスを直接何の偏見もなしに観察することからはじまる

「問題」として定義されるのに必要な4つの情報
1.現状の実績と過去の傾向履歴
2.要求される実績レベル
3.実績と目標との差異で測った問題の大きさ
4.問題や状況の影響範囲や特性

トヨタのプロセスで重要なことは、膨大な情報を非常に簡潔な形で表現できる能力

目標はSMARTであるべき
Specific(具体的)、Measurable(測定可能)
Action-oriented(アクションを指定)、Realistic(現実的)
Time-based(期限入り)
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『ザ・トヨタウェイ実践編(上)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244776
『ザ・トヨタウェイ実践編(下)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244784
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■目次■
【上巻】
日本語版への序文 ジェフリー・K・ライカー
謝辞 デイビッド・マイヤー、ジェフリー・K・ライカー
まえがき ジョン・シュック
第1章 実践編を出版する背景
第2章 会社の目的を定義し、それに基づいた実践をはじめる
第3章 ムダ取りへの道のり
第4章 最初に工程を安定させる
第5章 つながった工程の流れをつくる
第6章 標準化した工程や手順を確立する
第7章 平準化でウサギではなく亀のようになる
第8章 ラインを止めて問題解決を図る文化をつくる
第9章 技術を人やリーンプロセスに合わせる

【下巻】  
第10章 会社のシステムを上から下まで熟知しているリーダーを育てる
第11章 卓越したリームメンバーを育成する
第12章 部品メーカー、パートナー企業と一体となって開発する
第13章 トヨタ式問題解決法  
第14章 状況を徹底的に理解し、問題点を定義する
第15章 根本原因の分析を徹底的に行う
第16章 コンセンサスを得ながら、代替案を検討する
第17章 プラン、ドゥー、チェック、アクト
第18章 ストーリーを語るA3報告書の作成法
第19章 リーン導入の戦略と戦術  
第20章 変化をリードする
訳者あとがき
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