2005年9月15日

『戦略パワー・プロフェッショナル』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903241009
本日の一冊は、好著『問題解決プロフェッショナル』の著者、齋藤嘉則さんによる、待望の新刊です。

※参考:『問題解決プロフェッショナル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478490228

今回も、問題発見・問題解決の視点をさまざまな角度から示しており、とくに、問題解決力のもととなる、「フレーム力」「コンセプト力」「ロジック力」「ポジショニング力」の4つの力の鍛え方について、深く論じられています。

衰退を続けるアイスクリーム市場において、ハーゲンダッツが好調な理由、ダイエーが凋落した理由、そして周囲が皆反対したにもかかわらずヤマト運輸が成功を収めた理由など、じつにさまざまなケースが登場し、読み応えがあります。

見た目によらず文章も平易で読みやすいので、戦略本に対するアレルギーがある方も、ぜひ手に取ってみてください。

思考の訓練には、とても役立つ一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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戦略論やマーケティング論の基礎を勉強することはとても有意義だが、「モノゴトを深く考える」という本質を見失ってはいけない

◆戦略パワーを高める4つの力
1.フレーム力 
2.コンセプト力
3.ロジック力 
4.ポジショニング力

時代の渦中にいると、その変化を感じ取りにくいのは確かだ。しかし、優れたプロブレム・ソルバーになるには、その変化を読み取らなければならない。なぜなら、時代や市場の構造変化は、問題をとらえるための枠組みや前提を大きく変えてしまうからだ

できる限り”感度の高いヘビーユーザーのかたまり”の顧客層を見つけ出すこと。これは、マーケターにつねに要求される高度な作業の1つだ

当初のターゲットや用途とは異なるところにニーズが発生し、それを発見できると、ターゲット・フレームの変更により成功することがある

時代の変化に合わせ、ユーザーが気づかないように製品やサービスのリニューアルを行うことを”ミッキーマウス・アプローチ”と呼ぶことがあるが、それは、ロングセラー商品のマネジメントの鉄則の1つだ

受け手がだれかによって象の主要な特徴や機能、そしてそれらが受け手の人々に提供する価値がまったく異なる

◆コンセプト構築のためのステップ
1.観察・分析から受け手にとっての価値を列挙する
2.受け手にとっての価値からピラミッドの上部に向かって逆順でコンセプトを考える
3.コンセプトから発信される特徴や属性を列挙し、提供する価値に対しての一貫性を評価する

ビジネスのロジックはつねに変化する

◆優れたポジショニングの4つの条件
1.他者との明らかな相違点を示す
2.相対的優位性が受け手に認識される
3.将来にわたって優位性を持続できる
4.全体ポートフォリオの限界を超えない
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『戦略パワー・プロフェッショナル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903241009
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■目次■
序章 戦略パワーを高める4つの力
第1章 フレーム力
第2章 コンセプト力
第3章 ロジック力
第4章 ポジショニング力
終章 4つの力を戦略構想と問題解決に応用する
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