2005年6月6日

『消費者行動論』

http://tinyurl.com/ber9r

本日の一冊は、アメリカのビジネススクールで教鞭をとる著者が、社会心理学の理論をマーケティングに応用し、ビジネスパーソンの視点でまとめた、注目の最新テキストです。

ご紹介する前に言っておくと、土井的には「ついに出たか、こんなテキストが!」と叫びたいぐらい、今日のマーケットに即した実践的な内容です。

見た目の厚さ・硬さとは裏腹に、文章は極めて読みやすく、内容は知的刺激にあふれています。

消費者の動機に関する理論や、有効な広告とそうでない広告を分ける「閾値」の話、消費者のタイプ別に有効なメッセージなど、情報化時代のマーケティングのヒントが、リサーチやデータをもとに、詳しく語られています。

本書で著者が述べているように、「製品が高品質であることは顧客満足に欠かせないが、購買を促すには消費者に高品質である事実を知覚させることも重要」なのです。

自社製品・サービスの魅力を正しく・効果的に伝えるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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最近のマーケティングの潮流として、顧客の属性を探るより行動を分析することが重視されている

マーケティングでは「自我」を上手に使うことが特に大切(中略)高額商品であれば、頭金なし、分割払い、低金利などを提供し、金銭的な負担を和らげることで、「自我」の現実原則を刺激する

ある調査によれば、77%の女性、64%の男性は、自分で描くセルフイメージと一致するブランドを選択するという

◆関与度を高める戦略 ※一部紹介
1.商品をターゲット顧客の関心事と関連させる方法
2.使用場面や使用者を想定したメッセージを流す方法
5.消費者の恐怖心に訴える方法

関与が低い商品を選択する際に、消費者は”刺激”に反応しやすくなる
(刺激:パッケージ・デザイン、広告、ディスカウント、クーポンなど)

購買行動は、動機がなければ起こらない
(動機:前に乗っていた車のリースが切れた、臨時収入があったなど)

消費者がある種のテンションをすでに持っている場合は、危機感を煽るような広告に効果があることがわかっている

購買リスクと関与度が高いほど、情報収集量は増える

後発ブランドより、先発ブランドのほうが記憶に残りやすい

消費者にとって予備知識のある商品は覚えやすい

人の目に留まらないほど小さな新聞広告は、出しても無駄になる

認知・感情・行動の3要素は、整合してこそ心理的安定をもたらす

どんなに楽しい思いをさせても、終わりよければ全てよしとならなければ、客の満足は得られない。脳は最後に起こったことが最も強く記憶されやすい
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『消費者行動論』
http://tinyurl.com/ber9r
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■目次■
まえがき
第1章 消費者行動論とは何か?
第2章 個人的影響要因
第3章 個人的要因:パーソナリティとセルフイメージ
第4章 消費者関与
第5章 問題認識
第6章 動機づけ
第7章 情報収集
第8章 学習
第9章 消費者の知覚
第10章 消費者の態度
第11章 社会的要因――グループの影響
第12章 選択肢の分類
第13章 評価選択
第14章 購買と購買後評価
あとがき
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