2005年6月25日

『人生の成功とは何か』

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本日の一冊は、シンクタンク・ソフィアバンクの代表であり、現在は多摩大学大学院の教授も務めている田坂広志さんが、人生における「成功」の意味を問い直した、哲学的な一冊です。

オビにある、「人生において『成功』は約束されていない。しかし、『成長』は約束されている」という言葉がもっともよく本書の思想を表しています。

それはつまり、われわれが「勝利」でも「達成」でもなく、「成長」を目的に生きることで、より人生の成功に近づくことができる、という思想です。

現在は起業ブーム、資産運用ブームですが、これらは競争である以上、必ず勝者と敗者が存在します。

そこから当然導き出される結論として、前々から、今年以降は、人生哲学や癒しに関する本が売れると申し上げてきたのですが、本書はまさにその動きにはまった一冊だと思います。

「成功」よりも「成長」を目指すことで、より人生が充実する。この考え方は、厳しい競争社会に生きる私たちにとって、きっと励みになるに違いありません。

人生に迷った時にひも解きたい、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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我々は、しばしば、世間一般に語られる「人生の成功」のイメージを疑問を持つことなく受け入れ、「自分にとって、人生の成功とは何か」を問うことを忘れてしまいます

もし本当に「人生の成功」の意味を考えたいのであれば、その前に、「自分の個性」を見出さなければならない。「自分らしさ」を見出さなければならない

◆「人生の成功」に関する3つの思想
1.勝者の思想 2.達成の思想 3.成長の思想

「競争の勝者」になることが「人生の成功」であると考える社会において、「自分自身の個性」を発見し、「自分自身の成功」を定義して生きていくことは、厳しい「孤独」との戦いを強いられる

◆競争社会において勝者になっても直面する問題
1.果てしない競争 2.精神の荒廃 3.人間関係の疎外

世の中を深く見つめるならば、この厳しい競争社会においてさえ、本当に優れたプロフェッショナルの仕事のスタイルは、「喜びの奪い合い」ではなく、「喜びの高め合い」である

◆「達成の思想」が突き当たる問題
1.人生において夢を実現できるとはかぎらない
  人生において目標を達成できるとはかぎらない
2.人生は続く
3.さらに高い目標に駆り立てられる

我々が、様々な苦労や困難を超えて、この人生を一生懸命に生きるのは、競争で勝者となるためでも、目標を達成するためでもない。人間を磨き、成長していくためである
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『人生の成功とは何か』
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■目次■
・「人生の成功」とは何か
・なぜ、我々は「勝者の思想」を抱いて歩み始めるのか
・「勝者の思想」を抱いて歩むとき、見えてくる限界とは何か
・なぜ、「勝者の思想」は「達成の思想」へと成熟していくのか
・「達成の思想」を抱いて歩むとき、見えてくる限界とは何か
・なぜ、「達成の思想」は「成長の思想」へと深化していくのか
・最期の一瞬に問われるもの
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