2005年6月19日

『ビーンズ!』

http://tinyurl.com/7bzkc
本日の一冊は、昨年話題となった一冊です。アマゾンでもベストセラーになったのですが、なぜか土井は読んでいませんでした。

ちょっと旬を過ぎた感はあるのですが、週末に読んだ本であまりいいのがなかったので、あえてご紹介することにします。

本書は、20数年間、雨の日も風の日も行列の絶えない伝説のカフェ、「エル・プレッソ」の物語です。

今でこそ、常連客の多かったドットコム企業が移転し、苦境に立たされている「エル・プレッソ」ですが、その経営の姿勢には、すべての企業が学ぶべき普遍の真理が隠されていました。

では、その普遍の真理とは何なのか。まさにその点が、本書の最大の読みどころです。

読者は、主人公ジャックがお店で実践していることや、コンサルタントのキャロルの話、従業員を信頼できないジムの現状を読みながら、経営の要諦を学ぶことができます。

テクニカルな面を見たら、これはOne to Oneマーケティングだとか人間心理にもとづいたマネジメントの本だとか言えるのでしょうが、読み終わった後は、そんな無粋なことは言いたくない気分です。

素直に受け取れば、情熱を持って経営することの素晴らしさを感じられる、そんな一冊です。
————————
■ 本日の赤ペンチェック
————————
最高のスタッフに大きな自由を与えて、お客さまに奉仕する喜びを教える。この基本を忠実に守れば、成功するんだ

こちらがハートを込めてつくったものは、お客さまもごく自然に愛してくれる

それぞれに個性ある人材が集まってこそ、ほかにはないユニークな店が生まれる

情熱と好ましい姿勢さえあれば、極上のコーヒーを淹れるコツは後から教えればよい

この何十年かのあいだに次々と「スリム化」を進めてきた企業は、社員の忠誠度が、そのままお客さまの忠誠度に響くということを見落としていた

お客さまの名前を覚えるだけで、どれだけ違った世界が開けるか

ひとりひとりのお客さまを意識して、互いをよく知ると、お客さまの輪をつくることになる

とんでもない商品を売っていては、よいサービスをしても意味がない

優れた商品は社員の忠誠度を高め、それが仕事への熱意に変わる。するとよい仕事ができ、商品の質がさらに高まっていく

事業を成功させるためには、自分にとっての成功とは何かを、あらかじめ考えておく必要がある

事業が思わしくないときには、どうやって好調の波に乗ったかを振り返って、同じことをやればいい
————————————–
『ビーンズ!』
http://tinyurl.com/7bzkc
————————————–
■目次■
プロローグ
第1章 情熱(Passion) すべては、情熱からはじまる
第2章 人(People) 働いている人を見れば、その店がわかる
第3章 商売を超えた温もり(Personal) 誰もが、常連になりたいと思っている
第4章 商品(Product) まずいコーヒーに、お金を出す人はいない
第5章 志と目標 どこに行きたいのかわからなければ、目的地についても気づかない
第6章 四つのP 一杯のコーヒーが教えてくれる大きな教訓
エピローグ
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー