2005年5月7日

『起業バカ』

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本日の一冊は、14年間で2500社のベンチャービジネスを取材したという経済ジャーナリスト、渡辺仁さんが、現在ブームとなっている起業の実態を明らかにし、これから起業しようとする人々に警鐘を鳴らした一冊です。

内容は、自らも雑誌を立ち上げて7号で潰し、起業の「天国と地獄」を経験したという著者だけに、必要以上に起業に悲観的だったりします。

元締めが得をするフランチャイズやマルチ商法の危険性、そして多くのビジネスパーソンが情報源としている活字メディアの問題点など、真剣に起業を志す人間なら、当然知っておいて欲しい情報が並んでいますが、おそらく、こうした基本的なことすらわからない起業家予備軍が多いということなのでしょう。

実際、ここで紹介されている起業の失敗例を見ていると、あまりにビジネスプランが甘くて驚きます。利益モデルや集客の方法など、当然押さえておくべき事がらで失敗しているケースがほとんどなのです。

起業しようとする人なら、本書で示されている厳しい現実や、企業に潜む落とし穴は、最低限きちんと認識しておいた方がいいでしょう。
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■ 本日のワンポイント赤ペンチェック
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カネがなくても会社が作れるよう、商法を変えた「1円起業」も浅薄な策と言えよう。資金を調達できない人は、起業する資格なぞない

フランチャイズ加盟者は40、50代が圧倒的に多いのも、また事実だ。それは中高年サラリーマンが、「本部(他人)がお膳立てした事業に乗りやすい」という証拠でもある

2007年から大量の定年退職が始まる団塊世代。この小金持ちの団塊世代の退職金を狙ったビジネスがうごめき始めている。起業がらみでは、「投資」「マルチ商法」「フランチャイズ」この3つのビジネスが代表格だろう

朝日、読売、日経にも悪徳商法の広告が載っている

サラリーマン時代の活躍は、しょせん、会社の手のひらの上で踊っていたにすぎない

いい情報や価値ある情報は、いつの時代もどんなときも「人」が握っている

要は顧客が何を求めているか、冷静に考えろ、ということだ。当たり前だが、このことは商売の基本だと思う。世の起業本の多くには、「夢を実現する」などと、それこそ夢のようなことが書いてあるが、自分のことを第一義に考えた企業に、顧客などよりつくはずもない
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『起業バカ』
http://tinyurl.com/7jdqf
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■目次■
Introduction はじめに
Chapter1 みんなこうして失敗した
Chapter2 起業でハマる3つのワナ
Chapter3 「起業後」に待ち受ける誘惑とワナ
Chapter4 脱サラを喰いものにするフランチャイズ商法
Chapter5 フランチャイズは底なし沼
Chapter6 いまのニッポンで起業するのは損か得か?
Chapter7 ベンチャーにはだかる4つの「抵抗勢力」
Afterthoughts おわりに
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