2005年3月12日

『黄金のおにぎり』

http://tinyurl.com/4nw88

本日の一冊は、小説仕立てでブランド戦略を学ぶという、斬新な切り口で書かれた一冊。

脱サラした主人公が、破産寸前のおにぎり屋を飛躍させるまでのストーリーを、ブランド戦略を絡めながら描いています。

著者は、かつて精神病院に勤務。心理カウンセラーを目指しながら突如、マーケティングに転向したという異色の経歴を持つ人物で、現在は数多くの企業に対し、マーケティングの指導を行っています。

あの橘川幸夫さんに師事しており、土井も一度お会いしたことがありますが、なかなかのくせものです。

それだけに、ちょっとひねった内容が期待されるところですが、一体どんな内容に仕上がっているのか。

さっそくポイントを抜き出してみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆「良い商品」とは、「良いモノ」に加えて「良いコト」が必要

「良いモノ」かどうかは、知性=IQによって判断されますが、
「良いコト」かどうかは、感性や感情=EQで感じ取られる

タグラインによって、商品の特徴を一言で分かりやすく伝え、興味を持ってもらいやすくする(中略)モノ余りの時代には、タグラインは非常に重要

◆キャラクターは、感情を刺激するのに、非常に便利なツール

単にイラストを描いただけでは、なかなか感情移入しにくいものです。ですので、キャラクターのバックグラウンドをできる限り詳細に設定する必要がある

◆ロゴマーク&ロゴタイプ=図のほうが、効率的に感性に訴える

コンセプトが不明確な商品は、その良さである「+α」の部分が、相手に伝わりにくくなります

◆コンセプトの構造
1.コアバリュー(ブランドが顧客に提供する価値の核心)
2.パーソナリティ(ブランドを象徴する人物の人格)
3.ベネフィット(ブランドが顧客に提供する具体的な便益)
4.ファクト(パーソナリティとベネフィットを実現するための事実)

◆ターゲットを絞り込む=誰か一人からとても愛されるブランドは、他の人からも愛される可能性が高い

◆積極的にお客さんからクレームを聞き出す仕組みを用意しておく

人は、誰かから指示を受けて「やらされる」よりも、自らの意思で「やる」ほうが、高いパフォーマンスを発揮します。だから、ブランドがどれだけの力を発揮できるかは、現場へのエンパワーメント(権限委譲)の成否が大きく影響します。

ブランドは、お客さんを平等には扱いません。(中略)特別なお客さんは、特別扱いする必要があるのです。

ブランドにとっては、広告戦略よりも、広報戦略のほうが重要

社会貢献は、広報につながりやすい(中略)ブランドにとって、今後ますます社会貢献が重要になってくる
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ブランドをどうやって売り上げにつなげるか、という部分は、単純化されすぎていてあまり参考になりませんが、ブランド戦略のフレームワークを小説でわかりやすくまとめた、という点は画期的だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『黄金のおにぎり』
http://tinyurl.com/4nw88

です。さらりと読めて、ブランド戦略の基本が学べる、良質な本だと思います。

■目次■
第1章 ブランドは頭より心を使う
第2章 ブランドはコミュニケーション
第3章 ブランドは他人への思いやり
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