2005年3月3日

『経理部長が新人のために書いた経理の仕事がわかる本』

http://tinyurl.com/3mklh

本日の一冊は、「経理部長が新人のために書く」というユニークなコンセプトの経理マニュアルです。

著者は、オムロンで、財務課長、経理部長を歴任。会計システムの開発や予算の策定などを担当し、現在は理財部長として、経理・財務の両部門を統括している人物です。

経理の心得やアイデア、あるいは簿記の基本について書いた本は山ほどありますが、ここまで経理マンの現実の作業に即して、ケースバイケースで書かれた親切な本は珍しいと思います。

本来赤ペンチェックすべきものでもないですが、雰囲気を理解してもらうため、内容を一部抜き出してみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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10名以上の雇用者がある場合、会社は就業規則を作成し、届出することが法律(労働基準法)で定められています。労働時間、賃金、退職にかかわるような事項は必ず記載されなければなりません。これらの賃金や退職金などは会社の損益に影響するものであり、経理部門で働く者はそれらを理解しておく必要があります。

仕事をするうえでは、「権限」とともに「責任」が生まれます。誰が、どのような権限と責任をもつのかは、取締役会規程や決裁権限規程によって定められます。その社内での基準を理解することで、伝票の認可者が妥当かどうかを判断し、経理処理を行います。

毎月の定例業務で最も重要なものは、月次決算になります。経理担当者は、毎月の業績結果を月次決算報告として、予算と実績の対比分析とともに翌月中旬までに、経営陣に報告します。この報告が、経営の判断材料となります。

仕訳や入力などの会計処理を行う場合には、口頭などではなく、何らかの証憑となる書類(請求書や契約書など)が必要です。この帳票、伝票なくしては処理をしてはいけません。

必ず、伝票と引換えに入出金をすること、その伝票の金額と現金を何度も確認して出納を行うことが基本です。

(支店・事業所の出納で気をつけること)
専門家でない人に業務をお願いするのですから、勘定科目などを複雑なものにしてはなりません。事業所出納の手順、ルールなどを作成するのも経理部門の役割です。
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本書には、こうした経理マンの心構えや基本動作のほかに、各種費用の処理方法、固定資産の管理、決算書のABC、税務など、およそ経理マンに求められる作業すべてを広く網羅しています。

というわけで、本日の一冊は、

『経理部長が新人のために書いた経理の仕事がわかる本』
http://tinyurl.com/3mklh

です。企業の経営者にとっても、社内の経理のしくみを考える上で、参考になる一冊だと思います。

■目次■
第1章 経理の仕事の基本を知ろう
第2章 新人経理担当者が最初に任される仕事とは
第3章 仕事に慣れてきたら、次はこれにチャレンジしよう!
第4章 1年目にここまでは確実にマスターしよう!
第5章 1年目からこんな勉強もはじめよう!
第6章 経理担当者としてのさらなるステップアップ
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