2005年2月24日

『MBA全1冊』

http://tinyurl.com/5o6p7

本日の一冊は、マイケル・ポーター、ピーター・センゲ、エイドリアン・スライウォツキー、ウォーレン・ベニスなどの経営学のグルたちと、ディーン・カーメンをはじめとする実務家が寄稿した一冊。

著名人を集めて、経営学の理論をまとめただけの本は数多くありますが、このように、各分野の第一人者がビジネスの知恵や今後の課題について議論した本というのは珍しいのではないでしょうか。

では、具体的にどんな内容が論じられているのか。一部、おもしろかったものをご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック 
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問題なのは供給ではなく、需要なのだ。そして、方程式のなかの需要の変数が成熟していなければ、すべては発明や特許、あるいは歴史上の出来事に終わってしまう
(ディーン・カーメン)

資本構成を分析するうえで、ほとんどすべてのバランスシートは決定的に不正確であることを忘れてはならない。というのも、プロ・スポーツの世界など一部の例外を除いて、人的資本が含まれていないからだ
(マイケル・ミルケン)

問題は、戦略プランニングが象徴するマネジメントが、「コミットメント」スタイルではなく、「計算的」スタイルだということにある
(ヘンリー・ミンツバーグ)

これまでと違う方法で呼吸するには、次の2つの手を打とう。1つは、プロセスの再構築とITの活用を徹底し、真に効率的な業務を創造することだ。もう1つは、重複したり価値を生まない古いプロセスを残しておかないことである
(ジェームズ・チャンピー)

厄介なのは、実際に違いをもたらすのはプロセスの進化であるのに、人々は新技術を発展と同義と考えていることだ
(ジェームズ・ウォマック)

自社を成功に導きたいのならば、発明の種まきではなく収穫に重点をおくことだ。創造性をマネジメントすることはできないが、真の市場ニーズに沿った製品やソリューション、サービスを商品化して利益を生むことは、マネジメントが可能なのだ
(アミエル・コーネル)

人は変化自体には抵抗しないものだ。人は失うことに抵抗するのである。(中略)リーダーとなり、生き残るためには、変化の痛みに敬意を払わなければならない。そうすれば、人はなぜ反撃するのか、どうやって反撃してくるのかを英知をもって理解し、彼らに挑戦することができるのだ
(ロナルド・ヘイフェツ、マーティー・リンスキー)

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寄稿者のなかには、相当なビッグネームも含まれていますが、内容は意外に読みやすく、参考になります。ビジネスに役立つちょっとした考え方やヒントを学ぶことができる、良質な一冊です。

というわけで、本日の一冊は、

『MBA全1冊』
http://tinyurl.com/5o6p7

です。ビジネス書好きがたとえ読まなくても買いたくなる(笑)、
そんな一冊ですね。

■目次■
第1章 イノベーション
第2章 持続的な成長と環境問題
第3章 会計・財務
第4章 戦略
第5章 マネジメント
第6章 人事
第7章 リーダーシップ
第8章 マーケティング
第9章 コミュニケーション
第10章 失敗から学ぶ
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