2005年2月23日

『心脳マーケティング』

http://tinyurl.com/6rfvk

本日の一冊は、これまでマーケティングが十分に扱えていなかった心と脳の問題を真正面から取り上げ、人間の無意識の領域にまで踏み込んでマーケティングを論じようという新たな試みです。

本書によると、消費者の思考内容のうち、95%は無意識のうちに起こっているそうで、これらを知ることなしに、われわれは消費者が買う理由を正しく知ることはできません。

これらの領域を知るために本書では、認知心理学や脳神経科学、言語学、人類学などの複数の専門分野の知識を取り扱います。

これらの研究成果を取り入れることで、一体マーケティング上、どんな知見が得られるのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック 
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消費者の思考内容の95%が無意識のうちに起こっている
その思考内容の多くはメタファーを通じて掘り起こすことが可能

市場調査の80%以上は、新たな可能性を試すことや、発展させるためのものではなく、主としてすでにある結論を強化するために使われている

消費者の選好プロセスはかなり自動的に生じ、習慣やその他の無意識の作用に基づき、消費者の社会的、物理的背景に大きく影響を受ける

心―脳―体―社会のピラミッドに表れる相互作用の構造は、個々のマーケターおよび消費者の思考や行動に影響を与えている

認知が言語を生み出すのであって、言語が認知をつくり出すのではない

進化過程の順序からしても、我々の脳は、話し言葉や書き言葉を理解するよりも、周辺言語を感じ取り解釈する方がはるかに得意である

多くの新製品の成功事例を研究してわかったことは、新製品の企画、開発、市場導入において、マネジャーやエンジニアが消費者のメタファーを活用していることである。また、消費者のメタファーを無視した場合には、大きな失敗が起こる(スティーブン・コール)

深く掘れば掘るほど、異なる消費者が、ある物事に関して重要な思考や感情を共有していることがわかる。こうした類似点こそが、消費者行動に大きな影響を与えている

単体のコンストラクト(マーケターが消費者の思考や行動を解釈してラベル化したもの)ではなく、コンストラクト間の関係が消費者行動に影響を与える

記憶は物語をベースにして形成される。すなわち、記憶はエングラムとして保存されている過去の出来事を、キューやゴールなどを含む新しい出来事を説明したり解釈したりする手助けとして使用する
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本書には、ここで挙げた内容のほかに、われわれの思考や行動の謎にせまる、じつに興味深い実験結果が多数掲載されています。ちょっと翻訳が読みづらい気がしますが、内容的にはいろいろと新しい発見があり、いい勉強になります。

というわけで、本日の一冊は、

『心脳マーケティング』
http://tinyurl.com/6rfvk

です。洋書っぽい装丁が、われわれの無意識の「買い」を誘う(笑)、そんな一冊です。

■目次■
序章
第1章 慣れ親しんだマーケティングからの脱却
第2章 新しいフロンティアへの旅立ち
第3章 顧客の無意識を分析する
第4章 メタファーを介して心脳に語りかける
第5章 先端複合領域から心脳を読み解く
第6章 思考の本質に迫る
第7章 市場の心を理解する
第8章 壊れやすい記憶
第9章 記憶・メタファー・物語
第10章 物語とブランド
第11章 創造的思考のための10の方策
第12章 優れた質問が、優れた答えを生む
終章 新しいマーケティング・パラダイムの構築に向けて
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