2005年2月19日

『一億総マーケター時代の聞く技術』

http://tinyurl.com/6gfge

本日の一冊は、デジタル・マーケティングで知られるドゥ・ハウスの取締役、喜山荘一さんによる注目の新刊です。

マーケティングリサーチに関する本は数多くありますし、グループインタビューなどでの聞き方に関する本もいくつか出ていますが、本書がユニークなのは、著者の得意とするネットマーケティングのリサーチに焦点を絞っている点です。

インターネットをフル活用して、お客様のホンネを追求し、明日の売れ筋をつかむためのさまざまな手法が紹介されています。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック 
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◆顧客の声をマーケティングに生かすためのガイドライン
1.「意見」ではなく「事実」に着目する
2.「けなし言葉(否定)」ではなく「ほめ言葉(肯定)」に着目する
3.「意識」ではなく「行動」に着目する

◆BMR(基盤マーケティング・リレーション)の6つの要素
1.ターゲット 誰に買ってほしいのか
2.場面 どんな時、どんな場面で使うのか
3.ウォンツ どんな欲求を持っているのか
4.製品 どんなカテゴリーのものか
5.属性 どんな性質、特性を持っているのか
6.ベネフィット どんな価値があるのか

◆接客の流れで文脈をつくる、CNAPPモデル
1.掴み 本文のエッセンス
2.語り 自己開示と商品説明
3.惹き ベネフィットの強調
4.引き 「よろしければ」と一歩引く
5.押し 背中を押す

いちばん響くコピー、メッセージを選ぶには、打ち分けて顧客に聞けばいい

読まれるメールマガジンのための「聞く技術」は、顧客のことを語ること、だ

顧客が商品について話している言葉そのもので商品を捉えれば、商品の受容性が見えてくる。クチコミのキーワードも発見できる

担当する商品について、少数の顧客で構成するコミュニティをつくろう。そうすれば、商品の購買や消費の様子を生々しく観察することができる

顧客の生の声には、価値の差異がある。どの声も等しく同じ価値を持つわけではない。ファクト&ポジティブ、つまり、リアルなほめ言葉を豊富に書ける顧客にこそ、参加してもらうべきなのだ
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ネットを通じた企業と顧客とのコミュニケーションのあり方、そしてマーケティングへの生かし方を、ここまできちんと論じた本は、ほとんどありません。

リサーチの方法や、企業の具体例なども掲載されており、マーケターは必読の一冊です。

というわけで、本日の一冊は、

『一億総マーケター時代の聞く技術』
http://tinyurl.com/6gfge

です。ネットマーケティングの本としては、久々に読み応えのある本が登場しましたね。

■目次■
はじめに お客様の声は神の声ではない
第1章 顧客への話し方――聞くプロモーション
第2章 顧客への訊き方――ネットリサーチで聞く
第3章 顧客への答え方――問い合わせに対応する
第4章 顧客への聴き方――コミュニティで聞く
第5章 顧客の声の活かし方――「顧客の声」活用工場
あとがき
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