2005年1月2日

『会計心得』

http://tinyurl.com/6eekr

本日の一冊は、優良企業と呼ばれる信越化学工業を会計面で支え、現在、日本CFO協会の最高顧問を務める金児昭さんが、一般社員の「コスト意識」を高めるべくまとめた、会計の入門書です。

営業マンから研究者、広報、人事、経営幹部まで、それぞれがどんな数字を意識して仕事すればいいのかが、具体的な例とともにわかりやすく解説されています。

会計の数字については何もわからない、という人でも、これだけ学んでおけば、きっと仕事における視野が広がるはずです。

実務家の著者なので、若干主張には偏りがあるかもしれませんが、考え方を学ぶという意味では、安い投資です。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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大事なことは、どの部門で働く人も、常に「金額=数量×単価」という式を頭の中に置いておくことです。それが、強い経営、強い会社をつくる元になる

■収益費用対応の法則
・収益を考えたら必ず費用を考えなければならない、費用を考えたら収益を考えなければならない。その二つは、必ず対応しているべし・会社では、売上は最も大切な科目です。なぜかというと、お金を会社の外からいただいてきて、それは返さなくていいから

■販売の心得
・「会計心得」としては、受注から代金回収まで、全部が販売の仕事だと考えなければなりません。
・会社全体の人が利益を重視し、コストを意識し、販売と聞いたらすぐに、「受注と入金」と考えるようになっていけば、会社は強くなります。

■製造の心得
・「原単位」(製品一個に原料を何グラム使うか)を守らないと、経営上のコストの点からは大変なことになる
・原料買い入れについては、まず数量が安定的に確保されることが大事です。その次に、単価が安いことです。
・営業という言葉には購買も入ります。両方がしっかりしている必要があるからです。購買部門が安定的に原料の数量を確保しなければ、売る製品を製造できないからです。

品質は同じものを安く買う、品質が同じ固定資産を安くすると、これから毎年の減価償却費が少なくなる、だから利益が上がる。こういう流れを全社員が身体で感じることが大事です。

■研究の心得
・個々の内容について「聖域扱い」がいいか悪いかは、新規研究、応用研究という枠だけでは区別ができないのです。問題は一つひとつの研究の中身、さらにいえば研究費はコストということで、全員のコンセンサスが必要なのです。
・新規研究は、大きな予算を使いつつも、本人だけはわかっているが、上の人も周囲の人もわからない、いや誰にもわからないくらいの最先端の研究をしていることもあります。そのときに、その人にコスト意識がなかったら、「自分は天才だから、いくらお金を使っても許される」という雰囲気になっていってしまう

■広報・宣伝の心得
・広報と宣伝の人たちの人件費は、固定費に入っています。次に、広報や宣伝は、たとえばテレビ、新聞の広告を出したり、イベントを展開したり、いろいろな費用がかかります。(中略)だからこそ、「損益分岐点を知るべし」を頭に置いて、全体の売上とコストの中で自分たちがどういった位置を占めるかということを考えてほしい(中略)費用対効果を考えながら手を打っていくこと

■人事・総務の心得
・人を採用する場合に、一人当たりいくらの生涯人件費を払うのかということをまず考えてみることです。そして、できるだけ採用しない方向で考えます。
・人事は、人事部のためではなく、会社の利益を稼ぎ出す事業部のために仕事をしている、そういう発想が大事です。
・人事部の仕事は、人を単なるコストとして考えるのではなくて、会社の利益を上げるためには、どこにどういう人がいたらいいかという発想を基本とすべきです。

■経営幹部の心得
・経営幹部は、最大のコストセンター
・無駄を排除するのには、率先垂範が大事
・幹部となったら、なおさら一般の社員よりも公私のけじめをはっきりさせるべき
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若干、著者の趣味と思われる事例がかえってわかりにくかったですが、全体を通してみると、なかなか良質な啓蒙の書だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『会計心得』
http://tinyurl.com/6eekr

です。今年こそは会計センスを身に付けたい、という方におすすめの一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 自分は「コスト」である
第2章 数字を社内共通語にできる会社が勝ち残る
第3章 「受注と入金」こそ最大の仕事である――販売の心得
第4章 原料と設備が大事――製造の心得
第5章 原価が見えていなければならない――研究の心得
第6章 損益分岐点を知るべし――広報・宣伝の心得
第7章 究極のプロフィットセンターである――人事・総務の心得
第8章 最大のコストセンターである――経営幹部の心得
第9章 死んでも会社の財産は守るべし――経理・財務の心得
エピローグ
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