2005年1月27日

『仕事の流儀~28人の達人たちに訊く』

http://tinyurl.com/6qqpz

本日の一冊は、『架空取引』などの経済小説で知られる高任和夫さんが、ヤマト福祉財団理事長の小倉昌男さんや、日本文学者のドナルド・キーンさん、音楽家の小椋佳さん、漫画家の水木しげるさんといった、計28名の「達人」にインタビューし、その仕事哲学を探ったインタビュー集です。

※参考:『架空取引』
http://tinyurl.com/4czs7

登場する「達人」たちがかなり豪華な面々なので、思わず手にとってしまいました。

いったいどんな教えが書かれているのか。さっそくチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック 
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「結局、仕事をやることが人生の生きがいなんですよ。人は働くことによって、社会につながっている。仕事には必ず相手がいて、相手を喜ばすということが目的になっていく。それによって、自分の喜びも増えてくるわけだよね」(小倉昌男)

「ちゃんとやってればね、世の中の見る人は見てるんですよ。いなくなると、あの男じゃないとダメだというふうに思い出してくれるんだね。マイペースで自分だけの世界をきっちり持っていて、仕事とかの能力をちゃんと身に付けていれば、どんな時代でも同じだと思いますけどね」(城山三郎)

「これからさらに苦しい時代になるのでしょうけども、組織を離れた、まったくの個人としての、無限みたいな世界から思考を始めなければ、しょうがないと思いますよ。でも、人間として本来のありように立ち返るんじゃないですかね」(小椋佳)

「人がやったことがないというのは、くだらないのが大部分です。でも、人がやったことはないけれども、これは面白いことなんだっていうのがうまく見つかればいい」(小柴昌俊)

「若い時に一生懸命働いていれば、ちゃんと貯金みたいになって保護してくれます。何もないところからは生まれないようですね」(水木しげる)

「一番重要なのは意志じゃなくて、意地なんです、意地。人間っていうのは、意地は張れるんだけど、強い意志を持てなんて言ったってね、そんな抽象的なものを持てるはずがない」(なだいなだ)

「動機不純なことをしてはいけないということですわ。金もうけしようと思って金を狙ったら、これは大変なことになりますね。もうけるということの本当の目的は人が幸福になるための手段ですわな。でも、それ自体が目的になっとるから世の中おかしくなるんです。それから技術は動機が悪かったら殺人の技術になります。忍術と同じですわ。金と技術だけは気をつけないといけません」(佐々木正)
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多くの「達人」たちの人生や哲学に触れられるのは楽しいのですが、インタビュー内容は正直、食い足りない印象です。インタビュワーの力量の問題でしょうか。

というわけで、本日の一冊は、

『仕事の流儀~28人の達人たちに訊く』
http://tinyurl.com/6qqpz

です。以下に列挙した「達人」たちに興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。

■目次■
ヤマト福祉財団理事長 小倉昌男
資生堂名誉会長 福原義春
「Zカー」の生みの親 片山 豊
アナウンサー・司会者 山川静夫
作家 城山三郎
さわやか福祉財団理事長 堀田 力
日本文学者 ドナルド・キーン
音楽家 小椋 佳
映画監督・シナリオライター 新藤兼人
物理学者 小柴昌俊
霊長類・人類学者 河合雅雄
ソニー名誉会長 大賀典雄
漫画家 水木しげる
俳優・歌手 宮城まり子
冒険家・スキーヤー 三浦雄一郎
囲碁棋士 藤沢秀行
作家・ナチュラリスト C・W・ニコル
岩手県立大学学長 西澤潤一
精神科医・作家 なだいなだ
僧侶・教育者 無着成恭
歌手 田端義夫
宇宙飛行士 毛利衛
漫画家 やなせたかし
俳優 小沢昭一
気象キャスター 倉嶋 厚
研究者・前シャープ顧問 佐々木正
オパール・ネットワーク代表 佐橋慶女
俳優 仲代達矢
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