2004年12月3日

『パワー・プレゼンテーション』

http://tinyurl.com/4je9w
本日の一冊は、ヤフー、インテル、シスコシステムズ、マイクロソフトなどの名立たる大企業をクライアントに持つ、ビジネス・プレゼンテーションの達人、ジェリー・ワイズマンによる一冊です。

MBA教育で有名なグロービスの[思考]シリーズ第一弾として出される、注目の一冊です。

結論から申し上げると、先日ご紹介した『デーリー先生の「話し方」コーチング』に匹敵するおもしろさです。

参考:『デーリー先生の「話し方」コーチング』
http://tinyurl.com/54m3c

数多くのVC向け株式公開プレゼンテーションを成功に導いてきた著者が、相手の心の引き金を引き、説得するための原則と、実践的方法を説いており、この理論は、プレゼンテーションはもちろん、スピーチや本作りにまで役立ちます。

具体的にどんな話が盛り込まれているのか、さっそく見て行きましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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「正しい話の展開」をつくることのほうが、単なるコミュニケーション技術を駆使することよりも、はるかに重要

■発表者がおかす致命的な「5つの過ち」
1.わかりにくい
2.聞き手にとってのメリットがない
3.論理の流れがスムーズでない
4.詳しすぎる
5.長すぎる

WIIFY=What’s in it for you?(相手にとって、何の役に立つのか)

■WIIFYを引き出す便利な6つのフレーズ ※一部だけ抜粋
1.これは皆さんにとって重要です。なぜなら、……
3.なぜ私がこれを皆さんにお話しているかというと、……
6.皆さんにとってのメリットは、……です

相手によって、考え方や目標、好み、興味、ニーズなどが異なるので、「だれが今回の聞き手なのか」を十分に認識しなければならない

プレゼンテーションを一から構築することは、「創造的な」プロセスである。つまり、右脳から始めるべきなのだ

書くという行為の中で、左脳が主導権を取っている間は、論理性や文法などが気にかかって、コンセプトを自由に発散することができない

わずか6つのカギとなるアイデアを思い出せば、関連する情報は自然に引き出せる

どんな順序であろうと、アイデアが出てきた順に書き出す。自由な形式で、いわゆる情報の山をつくるのだ。その後で整理する

■16の展開パターン ※一部だけ抜粋
1.モジュール型
5.問題・解決法型
9.特徴・メリット型
10.事例研究型
16.ナンバリング型

■7つの導入の言葉 ※一部だけ抜粋
1.聞き手への質問
2.特筆すべき統計、新事実
4.エピソード
7.たとえ

聞き手を聞く気にさせ、アイデアの流れについてきてもらうためのテクニックは、古典的な「これから何を話すかを話す」ことである

■アリストテレスの言う、優れたプレゼンテーションの要件
・強力な冒頭
・ゆるぎない本文
・決定的な最後

「左から右への無意識の視線運動」は、人間が持って生まれたもの

(プレゼンの)流れをチェックするための究極の方法は、スライドの中身(箇条書きやグラフなど)を無視して、タイトルだけ読むことだ。スライドのタイトルだけで全体の流れが理解できれば、そのプレゼンテーションがすっきりまとまっている証拠だ

スライドを使った5つの手法
1.区切りのスライド
2.インデックスと色分け
3.アイコン
4.アンカー・オブジェクト
5.スペース

スライドの3大原則
・主役は発表者
・Less is More
・目の動きは最小限に

「声に出して練習する」プロセスなくしては、効果的なプレゼンテーションなどありえない
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ほかにもたくさん紹介したいことがあって、本当に有用な内容です。仕事がら、話す機会が多い方には、ぜひおすすめしたい一冊です。

というわけで、本日の一冊は、

『パワー・プレゼンテーション』
http://tinyurl.com/4je9w

です。理論と実践のバランスが取れた、よい本ですね。

目次
第1章 説得力のあるプレゼンテーションとは
第2章 聞き手にメリットをもたせる
第3章 創造的な作業:ブレインストーミングを活用する
第4章 話に流れをつくる
第5章 聞き手の心を一瞬でつかむ
第6章 視覚で訴える
第7章 文字に語らせる
第8章 数字に語らせる
第9章 主役は発表者である
第10章 話に息吹きをもたらす
第11章 プレゼンテーションをカスタマイズする
第12章 メジャーリーグのマウンドに登る
付録 プレゼンテーション環境のチェックリスト
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