2004年10月10日

『インディペンデント・コントラクター』

http://tinyurl.com/6d9rb

本日の一冊は、「インディペンデント・コントラクター」という、社員でも起業でもない「第3の働き方」を提唱した一冊です。

著者は、リクルート出身のインディペンデント・コントラクターで、『社長!それは「法律」問題です』などの著書を持つ秋山進さんと、日本総合研究所・調査部・経済研究センター所長の山田久さん。

参考:『社長!それは「法律」問題です』
http://tinyurl.com/66x3j

秋山さんがミクロ、山田さんがマクロのお話を担当するという意味でのコラボレーションです。

対談中心の作り方がちょっとうっとうしいのですが、「インディペンデント・コントラクター」というコンセプトはなかなかおもしろいと思います。

では、さっそくポイントを見ていきましょう。
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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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企業と個人はもっと対等な立場で契約すべきだ

(アメリカでは、インディペンデント・コントラクターは)遅くとも八〇年代前半には存在しており、後半に普及した

歴史的には、ホワイトカラーの人たちの社会保障コストを削減したいという意図で普及してきている

インディペンデント・コントラクターになる出発点は、自分で自分の人生をコントロールしたいというか、自分のやりたいことをやりたいというところにあります

事業をするには、それが何であっても、一種の才能が必要だと思うのです。事業アイデアはもちろん、元手もいる。金と人と才能、この三つがないと始まらない

何かをやろうというとき既存の組織を使ったほうが、明らかに時間は短縮できるし、成功確率も高い

ヒット商品を出さないと企業は儲からなくなってきた(中略)そうすると、プロジェクトを企画して、引っ張っていって成功に導かなければいけない。プロジェクトをつくり出せる人とつくり出せない人に対する会社の見方や待遇が、違っても不思議ではありません

経済が豊かになれば消費者は単に生理的欲求を満たすためではなく、「記号的」「文化的」なものを消費したくなる。そういうものは絶えず新しいものをつくっていかなければいけなくなる。そうすると、どうしても同じ企業の中にいる人は、同じ文化で同じ発想だから、外から人を入れるということで新しい発想ができやすくなる

(企業は)自分の持ち得る能力の一部分だけ欲しいということになって、一千万円の価値がある能力を持っていたとしても、一つの会社では五百万円の仕事しか契約できないことになる。それなら、能力を切り売り、時間売りしたほうが、こちらの売上は最大化するでしょう

インディペンデント・コントラクターの3つの特徴
・何を遂行するかについて自ら決定できる立場を確保している
・実質的に個人単位で、期間と業務内容を規定した、請負、コンサルティング、または顧問契約などを、複数の企業や各種団体と締結
・高度な専門性、業務遂行能力を有している

実際に仕事を出していただけるかどうかは、ネットワークの中で自分がどのように評価されているかという評判によるところが大

ICになりやすい仕事
・営業
・ISOとか、株式の公開(IPO)の提出書類の整備のプロ
・研修の講師
・ITのエンジニア
・ウェブマーケター

モジュール化というのが実はICの登場を説明するときに非常に有力なツールになる

人材モジュールを外側からポッととってくることで、新しいビジネスをすぐに立ち上げることができます

モジュール化が進み、その前提として「デザインルール」が形成されて、コーディネーションコストが大きく下がってくれば、当然、市場から調達できる製品や部品・サービスを使うことができる

正社員の置かれた状況とICとが近寄ってきている

ICには定年がないし、時間も自分でコントロールできる。もう一つの側面として、共働きが一般化してきたことで、ICという働き方の選択もしやすくなった

企業が仕事を出したいと思うのは、実務レベルまできちんと実行できる人なので、ICとして成功しやすいのは実務家として信頼されている二~三番手くらいのエリート

あまり強調されていませんが、一つ、ICになるために重要な能力があります。その会社に独特なものの考え方や、内部にどういうリソースがあるかとか、どういう経路で意思決定が行われるかなど、仕事を進めて行くうえで重要なことを、すばやく把握する能力です

得意業種で得意職種をやるというのがいちばん収益性は高くなります

「ICの要件」の一つは、やはりスキル、技能があること。少なくとも、当人がそう確信していることです。それから自己管理能力が高いこと。あとは状況が悪くなったりすることもあるので、何かあったからといって悲観的になりすぎない、楽観的にいけること。やはりこれは重要なポイントです

ICになろうと思ったら、その前に複数の会社に勤める経験、二回くらいは転職されたほうがよいと思います。そうすることで、一つの会社にいたのではできない人間関係をつくっていくことができるからです

大事なことは、いかに四方八方に「蜘蛛の巣」のように人間関係を持つことができるかなのです。そうすることで、発注してもらえる可能性がどんどん高まっていくのです
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まさに、土井の言いたいことを代弁してもらいましたね(笑)。

というわけで、本日の一冊は、

『インディペンデント・コントラクター』
http://tinyurl.com/6d9rb

です。今後、独立を考えている人、現在フリーで働いている人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

目次

プロローグ 「会社で働くこと」が幸せでしょうか?
第1章 起業か? 転職か?
第2章 インディペンデント・コントラクターは誰でもなれる?
第3章 働き方は自分で決めたい
第4章 顧客の獲得は難しい?
終章 インディペンデント・コントラクターが社会を変える
エピローグ 不幸せと幸せの境目を「働くこと」から考える
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