2004年10月29日

『おカネの発想法』

http://tinyurl.com/5sqc3

本日の一冊は、木村剛さんによる、久々の本格的な資産運用関連本(?)です。

(?)と書いたのは、これがただの資産運用本ではないからです。

大ベストセラーとなった『投資戦略の発想法』は、投資で必要な心構えや基礎知識を説いたものですが、今回は「そもそもお金とは何か」といった本質論を、世界経済の歴史や現状から紐解いています。

もちろん、投資に関する基礎知識も登場しますが、最大の読みどころは、豊かに生きるうえで必要なお金との付き合い方、そしてお金がなくても豊かに生きるための自己投資や、パーソナルブランディングの部分でしょう。

自らも起業して成功されている木村さんだからこそ語れる、新しい時代の「おカネの発想法」とは何か。さっそく見てみましょう。

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 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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そのおカネが本物かニセモノかという点は、じつのところ本質論ではないのです。そのおカネが、皆さんに受け取ってもらえるのか、それとももらえないのか、というところに、おカネであるか否かを峻別する本質があるのです

おカネが増えるとしたら、それはそのおカネを使ってビジネスをする人がいるから増えるのです

株式会社の株式を所有していると、万が一倒産したときに投資がパーになってしまうということを「リスク」と呼んでいるのであれば、株式会社に勤めることはもっと大きな「リスク」

おカネの発想法に基づく株式投資
・どの株式会社がうまくいくかわからないから、いろいろな株式会社に分散投資することによって、
全部が全部ダメになるということのないようにしよう
・二〇銘柄に分散→「転職してみたい会社の株式」がお勧め

株式投資における究極の目的は、おカネを儲けることではないのです。株式投資の究極の目的は、人を動かすパワーを手に入れるということ

おカネというツールに頼らないコミュニケーション能力を持っている人はおカネが要らないということなのです。おカネがなくとも、他人を動かせる人には、おカネは不要なのです。おカネに頼らなくとも、自分の好きなモノが手に入る人には、おカネは要らない

めざすべき究極の姿は、「自分自身がおカネになる」ということ

コミュニティとか、仲間とか、人望とか、信頼性とか、信用というモノは、おカネと同じなのです。そういうおカネをどういうふうに獲得していくのかが極めて重要なのです

おカネは、インフレで価値が減ってしまいますが、コミュニティとか、仲間とか、人望とか、信頼性とか、信用というモノは、インフレによって影響を受けません。逆に、そういうときこそ、真価が発揮されるに違いありません

『金持ち父さん貧乏父さん』の教えには反してしまいますが、まずは仕事をしておカネを稼ぎながら、自らを鍛えなければなりません

何も他のことは考えずに一二〇%の力を現在の仕事に注ぎ込むべき

節約ができる人は、意志が強い人です。自分の行動を自分でコントロールできる人です。外部の雑音や他人の行動に惑わされることなく、自分の意志を貫ける人です。そして、意志が強いということは、財産形成で成功するために不可欠の要素なのです

複利を味方につけられるかどうかが、あなたの財産形成の成否を決定づける

財産形成のメインエンジンは、仕事からの収入
→最も重要な投資は自己投資

財産形成のスピードをアップするためには、仕事で成功することが一番重要(中略)株式を売買する前に、まずは自分を磨く――それが財産形成の王道です
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お金儲けの本だと思って読んだら、じつはなかなか読み応えのある、自己啓発の書でした。木村さんの起業話なども盛り込まれており、これから起業したい方や経営者にもおすすめの内容です。

というわけで、本日の一冊は、

『おカネの発想法』
http://tinyurl.com/5sqc3

です。これからの個人の生き方やおカネとの付き合い方を説いた、読み応えのある一冊です。

目次
☆はじめに――新札の時代に考えるべきこと
☆第一章 あなたのおカネを防衛せよ!
☆第二章 おカネとはナニモノなのか?
☆第三章 おカネは「ことば」である!
☆第四章 おカネは経済の血液である!
☆第五章 おカネとどう付き合えばいいのか?
☆第六章 おカネの価値を護りながら殖やす
おわりに――「自分がおカネになる」ということ
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