2004年9月25日

『金持学』

http://tinyurl.com/566tu

著者は、上場企業メイテックの創業者で、現在はベンチャーセーフネットという企業の会長を務める関口房朗さん。

長者番付の常連で、その豪快なお金の使い方から、ついたあだ名は「ミスター大盤振る舞い」。プライベートでは、六本木ヒルズに住んだり、馬主として日本ダービー、アメリカのケンタッキー・ダービーを制覇したりと、何かと話題の多い方です。

長髪を後ろで束ねた奇抜な髪型と、口ひげ、ゴージャスなファッションがトレードマークだそうですが、見た目は正直言って「成金」。

でも、本日ご紹介する『金持学』を読めば、じつは苦労人で、骨太の思想を持っていらっしゃることがわかります。

さっそくその波乱万丈の人生ドラマと、骨太の人生論・経営論を概観してみましょう。
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 本日の赤ペンチェック――著者の言葉より
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私は貧困を否定しているのではない。私が否定しているのは、適当な言い訳を並べて夢を諦めてしまう「心の貧しさ」だ。

オシャレをするということは、他人の目を意識するということだ。これは自分の言動を律する上で非常に大切なことである。

ゴールなきチャレンジの連続こそが、人生(中略)目標に向かって全力で走り続ける。しかし最後までゴールに到達しない。このパラドックスの中にこそ、本物の成功があるんや。

■関口流・成功する男の七カ条■
第一条 セックスアピールを持て!
第二条 昆虫人間になるな!
第三条 自己投資を惜しむな!
第四条 基礎を積み上げろ!
第五条 常に三年先を読め!
第六条 自己アピール力を磨け!
第七条 夢とロマンを持て!

■関口流・失敗する男の三カ条■
第一条 金に執着しない男
第二条 人を大切にしない男
第三条 失敗を知識化できない男

金が入ると、ウソやジェラシーといった、人間の一番汚い部分を前面に出した人々が群がってくる。そして彼らに騙され、傷つけられていくうちに、だんだんと人を見抜く目が養われてくる。しっかりとした自分を保つ強さが生まれてくる。本物とニセモノの違いがわかるようになってくる。お金によって、人は大きく傷つき、やがて成長するのだ。

経営者とは、ネクタイを締めた瞬間から役者であり、芸人であるのだ。舞台の上では、一切の「私」を捨て去り、すべて「公」たる会社のために尽くさねばならない。その腹積もりがなかったら、真の広告塔にはなれん。もしも会社の名前が知れ渡るのであれば、ワシ個人が笑いものになっても構うもんか。自分がカッコつけたいために宣伝の機会を失うようじゃ、企業を経営する資格なんてないわ。カッコいいも悪いも全部引き受ける、それが経営者や!

成功したいと思うなら、特にリーダーとして活躍したいと思うなら、笑いものになる勇気を忘れないでほしい。メッキで飾ったリーダーの下には、同じような人間しか集まらない。リーダーが裸になってこそ、部下たちも裸になれるのだ。思い切って、ワシくらい世間から笑われてみい!

成長の過程で、部下は必ず失敗をする。イライラすることもあるに違いない。しかし、上司たるもの、そしてリーダーたるもの、決して逃げてはいけない。自分だって誰かにそうやって育ててもらったのだし、部下が育たないことには、組織全体が活性化していかないのだ。

プラス思考とは、何も考えずただただ前に進むことではない。自分の足元を見つめ、反省すべきを反省し、改めるべきを改める謙虚さこそが、真のプラス思考なのだ。だいいち、失敗を人のせいにするなんかカッコ悪いやんか。苦境に立たされたときこそ、カッコよく生きなアカンのや!

走るために生まれ、走れなくなれば消え去っていく競走馬の哀しい宿命を、私はどうしても自分自身と重ね合わせてしまうのだ。もちろん、私は駄馬として生まれた男だが、「走るために生まれ、走れなくなったら死ぬ」のは、ビジネスマンとしての私にも言えることなのである。
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このほかにも、泣かせるエピソードや、職人たちの情熱を感じさせるエピソード、若いビジネスパーソンに向けたメッセージなど、ためになる話がたくさん詰まっています。

派手な成金を演じる関口さんの、経営者としての悲哀。そして重ねてきた年輪の深さを、この一冊から感じました。

というわけで、本日の一冊は、

『金持学』
http://tinyurl.com/566tu

です。やはり、「本と人は見た目によらない」ようです。

目次

第1章 過剰なる日常
第2章 成功する男、失敗する男
第3章 金に好かれる男、嫌われる男
第4章 ひらめきの仕事術
第5章 二度の倒産、そしてクーデター
第6章 馬に学んだ常勝哲学
終章  若いうちにやっておくべきこと
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