2004年8月6日

『Good Luck(グッドラック)』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591081451/

正直、最初は、この本を手に取るつもりはありませんでした。

売れているのは知っていたのですが、タイトルが『Good Luck』、版元はポプラ社、しかも帯には「これは小説?哲学書?それともファンタジー?」と書かれているのですから。

私はフィクションがあまり好きではないので、この謳い文句ではちょっと厳しかったのですが、唯一、「哲学書?」というところが気になって手にすることにしました。

で、どうだったかと言うと、思ったよりもずっと良かったです。アマゾンのカスタマーレビューを読むと、賛否両論のようですが、ビジネス界ではそれなりに著名な2氏が書いているだけに、ビジネスに当てはめて考えれば、示唆に富んだ内容です。

この話は、54年ぶりに再会する親友、ジムとマックスのおしゃべりから始まります。

まったく何もない状態から大きな成功を収めたマックスと、大きな財産を受け継いだにもかかわらず、どん底にまで落ちてしまったジム。「僕も、君みたいに運さえあったらなあ…」と語るジムに、マックスは、祖父から聞かされた「魅惑の森」の物語を語ります。

「魅惑の森」の物語は、王国の宮廷魔術師、マーリンが号令をかけ騎士たちに、幸運を呼ぶ「魔法のクローバー」を探させるところから始まります。

結局、志願したのはたったの2名。白いマントの騎士・シドと、黒いマントの騎士・ノットです。彼らは、幸せを本気でつかみに行ったという点では、他の多くの騎士たちよりも一歩進んでいましたが優秀なはずの黒いマントの騎士・ノットには、成功するための何かが欠けていました。

この物語には、私たちが陥りがちな、思考や感情の罠が示されています。『名経営者が、なぜ失敗するのか?』を読んだ直後だっただけに、内容がオーバーラップして、とくに感銘を受けました。

一般的な自己啓発書として扱われた場合はどうか知りませんが、実践を常とするビジネスパーソンにとっては、示唆を与えてくれる1冊だと思います。

すべて書いてしまうと、書き尽くせてしまうほど薄い本なので、ここらでやめておきましょう。

というわけで、本日の一冊は、

『Good Luck(グッドラック)』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591081451/

です。『チーズはどこへ消えた?』と同様、古本屋には大量に出回ることが予想されますが、日々、自己点検をしたいビジネスパーソンは、持っておいても良いのではないでしょうか。

目次

セントラルパークでの再会
運命をわけたクローバーの物語
森へ
新しい土


小石

月光
暗闇
風と雨

この物語は、あなたに続く
あとがき
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー