2004年8月14日

『適正在庫の考え方・求め方』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4526051780/

本日の一冊は、文字通り、適正在庫を実現するための考え方と手法を説いた一冊です。著者の勝呂さんは、東芝の生産技術研究所に務めた後、独立してコンサルティング会社を立ち上げた人物です。

本書ではまず、他の先進諸国と比べた日本企業の在庫水準を示していますが、これが何と、一番高い。つまり資金効率が悪いのです。具体的には、アメリカ、イギリス、EU、日本の平均棚卸資産回転期間が50日強であるのに対して、日本企業の平均は70日弱です。「徹底した生産管理」の印象が強い日本が、どうして欧米諸国に負けてしまうのでしょうか?

現実には、このデータは、他の書籍からの引用であるため、ここで論じるのは難しいのですが、著者による、以下2つの仮説がヒントになるかもしれません。

1.取引先に在庫負担を押しつけているだけのケースが多い
2.日本が優れているのは生産現場だけで、生産管理システムまで含めたレベルでは負けている

で、実際に現場ではどんな取り組みがなされているのか。それが、著者のいう「精神論的在庫削減活動」です。つまり、無理なカイゼン活動を要求することで、弊害が起こっているのです。

具体的には、著者が言うように、

「一部の部品でも欠品が発生すれば、他の部品の滞留を招き結果的にトータルの在庫は増える結果となる。適正なバッファ在庫を持たずに現場に無理をさせれば不良やトラブルを招き欠品や過剰在庫を招くことになる」

ということです。ここにこそ、在庫が正当化される理由があるのです。著者の言葉を借りれば、

「生産活動・企業活動に伴うさまざまな変動を吸収するためのバッファとして在庫は必要不可欠」

なのです。

では、在庫が必要だという前提で、今度はどうやってそれを管理していけばいいのでしょうか。本書には、その秘訣が書かれています。

数式やグラフを混ぜながら、適正在庫を求めるための理論・方法が論じられており、決してやさしくはないのですが、非常にいい勉強になります。また、著者の在庫管理に対する哲学がところどころに感じられるのも、本書の大きな魅力でしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『適正在庫の考え方・求め方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4526051780/

です。薄くて読みやすい本ですが、内容は奥深いです。時間があったら、ぜひ読んでみてください。

目次

1章 在庫管理の現状
2章 在庫とは何か
3章 適正在庫の考え方(古典的OR理論の解説)
4章 適正在庫の求め方と活用方法
5章 在庫適正化の具体的な進め方
6章 最新の適正在庫理論
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー