2004年8月18日

『世紀の相場師ジェシー・リバモア』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047913715/

みなさんは、このジェシー・リバモアという人物をご存知でしょうか? ウォール街では有名ですが、1929年の世界大恐慌を予測し、暴落のさなかに一人勝ちをおさめた、伝説の人物です。

端正な顔立ちで、ストイックな精神の持ち主。しかし、その生涯は、あまりに壮絶でした。

本書には、そのジェシー・リバモアの生い立ちから、少年時代、株式投資との出会い、奇跡の大成功、家庭崩壊、そして壮絶な死までが描かれています。

内容をざっと見ていきましょう。

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幼いリバモアは、きゃしゃな体つきで、よく体をこわしました。おかげで活字に触れる時間がたっぷりあったようで、貧しい農夫だった父とは、まったく違った道を歩むことになります。

学校に通うようになったリバモアは、算数で抜群の冴えを示しました。算数はみんなよりずっと先の上級過程で学び、通常3年で終える数学の過程はたった一年で終了しました。

しかし、十四歳になると、父親に無理やり学校をやめさせられ、農作業を手伝うように言い渡されます。しかし、息子の才能を知っていた母は、彼に5ドルを持たせ、家出させます。リバモアは、この5ドルを元手に、ボストンに向かいました。

リバモアは、ペイン・ウェバーの店に入り、株価を黒板に書き込むチョークボーイとして働くことになります。ここで相場を学んだ彼は、やがて、バケット・ショップで相場を張るようになり、16歳にして1000ドル以上の現金を稼ぎ出します。
※バケット・ショップは、現実の株価と連動したギャンブル場のようなもの(当時は、ここで呑み行為が平然と行われていました)

バケット・ショップで荒稼ぎしたリバモアは、彼らに締め出しを食らい、いよいよニューヨークへ乗り込みます。しかし、現実の相場と、バケット・ショップでのギャンブルの違いに戸惑い、丸裸になってしまいました。

しかし、頭脳明晰な彼は、ここで支持者を見つけ、見事相場の世界に復帰します。彼は再びバケット・ショップで荒稼ぎし、一万ドルの資金を手に、ウォール街に乗り込みました。

1900年、リバモアはバケット・ショップに出入りしていた頃に出会ったネティと結婚します。夫婦の仲は当初円満でしたが、リバモアが破産状態に陥ると、それをきっかけに2人の気持ちは離れてしまいます。

しかし、相場師としてのリバモアの人生は、この後、順風満帆でした。地震の発生を読んだ彼は、鉄道株で大儲けし、十分な資金を確保しました。

その後、苦い教訓を得ながら、リバモアは相場師として成熟していきます。コットン市場で再び手痛い失敗をし、第一次大戦を機に復活。ネティと離婚し、ドロシーと結婚、そして息子の誕生…。しかし、ここからが悲劇の始まりでした。

世界恐慌での大成功をピークに、リバモアの人生は坂道を転げ落ちていきます。度重なる相場での失敗、母の銃弾を受け、傷ついた息子、泥沼化した家庭環境…。そして最後、追い詰められたリバモアは、自らの頭に銃口を当てます。

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どうでしょう?映画になってもおかしくないぐらい、すごい人生です。残念ながら角川書店さんが切らしているようですが、いつか復刊されることを期待したいと思います。

ということで、本日の一冊は、

『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047913715/

です。アマゾンのマーケットプレイスで一冊発見しましたが、早い者勝ちです。運悪く手に入らなかった場合は、パンローリングさんの方でマンガが出るようですから、そちらを読んでみてください。

参考:『マンガ―伝説の相場師リバモア ウィザードコミックス 7』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775930125/

目次

第一章  一九二九年――「ウォール街のグレート・ベア」
第二章  十四歳――家出同然でボストンに
第三章  千金の富――サンフランシスコ大地震をニューヨークで体感
第四章  一九〇七年――J・P・モルガン、JLに救済を要請
第五章  パーム・ビーチでの豪遊―― 一転して破産へ
第六章  第一次世界大戦――再起するリバモア
第七章  新婚生活――大邸宅と、トレード・セオリーの完成
第八章  盤石の富とスキャンダル
第九章  ボストン・ビリー―リバモア邸に強盗
第一〇章 忍び寄る影―金融大恐慌勃発
第一一章 タイミングの秘訣―出撃と退却の時
第一二章 リバモアのルール―資金管理
第一三章 意欲喪失―別離と寂寥と絶望と
第一四章 険悪な関係―ドロシー、息子を撃つ
第一五章 死に神の到来
付録 ジェシー・リバモア――投資の鉄則
訳者あとがき
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