2004年8月8日

『マーケティング・インタビュー』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555102/

マーケティング調査の手法の一つとして、インタビュー調査は広く知られていますが、これはお金も時間もかかる上、「正しい」やり方を知らなければ、本当に有効な情報を得ることができないという弱点を持っています。

本書の著者は、このような調査のインタビュアーとして、10年間で1万人以上にのぼる消費者・専門家の声に耳を傾けてきた人物。

その著者が、専門家の立場から、消費者の気持ちを「聞き出す」ためのインタビューの進め方、質問の投げかけ方、回答の受け止め方、人の意識を掘り下げる手法、などを説いたのが本書『マーケティング・インタビュー』です。

冒頭部分でフォーカス・グループ・インタビュー、デプス・インタビューといった、インタビューの種類ややり方の説明を軽くした後、すぐに実際の例に移っています。

登場する事例は、雨の日に使えない傘を買う30代男性、入れ歯が合っていないのに、「合っていますよ」と答えるシニア、雪山に行けないのに4WDを買ってしまった忙しいシステムエンジニアなど。やはりインタビューは一筋縄ではいきません。

本書では、彼らの摩訶不思議な行動を読み解くための手法と、人間が本音を語れない要因を明らかにしています。

ちなみにその要因とは、以下の3つです。

1.見栄をはる
2.社会的役割に縛られる
3.暗黙知

後半部分では、これら3つの要因を踏まえた上で、彼らから本音を聞き出すための具体的な手法が語られています。

「沈黙」のマネジメント方法、抑揚・語気・表情・しぐさなどのとらえ方、質問の投げかけ方にはじまり、語りにくいイメージを探るためのアナロジー、役割演技法、コラージュ、仮定法まで、インタビュー調査に必要なベーシックな情報が必要最低限、おさえられています。

会話例なども掲載されているので、インタビュー調査の実際を学びたい人には、うってつけの1冊ではないでしょうか。

というわけで、本日の一冊は、

『マーケティング・インタビュー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555102/

です。何でハードカバーにしたのかよくわかりませんが、見た目から受ける印象よりも、ずっと読みやすい本です。

目次

はじめに
第1章 マーケティング・インタビューでわかること
第2章 言語以外の情報を読み取る
第3章 インタビュアーが守るべき3つの原則
第4章 インタビュー対象を選ぶ
第5章 「聞き出す」ための視点と枠組み
第6章 安心して話してもらうために
第7章 語りにくいイメージを探る技法
おわりに
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