2004年7月23日

『30分で5億売った男の買ってもらう技法』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302444

この本、アマゾンのカスタマーレビューを見てもわかるように、読んだ人には非常に評価が高いのですが、いかんせん表紙やタイトル、帯に迷いが感じられるため、中身の良さが伝わってきません。

でも実は、ものすごいセールスノウハウが詰まった本なのです。

著者の星野卓也氏は、日大芸術学部時代に映画構造理論を学び、卒業後は脚本家のアシスタントを3年務めて独立。ドラマ・ゲームのシナリオや、企業マニュアル、DM企画構成などを手掛け、最近では、某有名テレビショッピングの構成に携わり、ゴルフクラブの売上でなんと5億円を達成しているそうです。

その著者が提唱する「買ってもらう技法」とは、ズバリ「ストーリーで売る技術」のこと。

「人にモノを買わせることは、人を物語で感動させることに似ている」

という著者が、その極意「物語論法」を紹介しています。「物語論法」の構成要素は、この本の章立てと一緒で、

■ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」

■商品理解を深めるための三つの「リサーチ」

■最後に背中を押すための三つの「センノー」

の3部構成です。このステップを着実に進めることで、購買まで結びつけることができる、というものです。

もっと具体的に見ていきましょう。

■ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」

1.潜在客の意識改革
直接商品名を出さずに売りたいものを意識させる

2.俯瞰図を示す
売るべき商品の全容を一言で述べる

3.ブランドの確かさを伝える
商品の出所や歴史を伝える

4.冒頭に、物語の中でもっとも印象的なシーンを持ってくる
セールスであれば、キャッチフレーズ・キャッチコピーで訴求する

5.商品イメージを伝える
繰り返しながら、軽い洗脳と箸やすめの効果をねらう

■商品理解を深めるための三つの「リサーチ」

1.メカニズム調査
売る商品の「仕組み」を知る―商品を構成する「パーツ」を理解する

2.売る商品の「素材(パーツ)」を分析する
その素材構成を採用した「理由」をしっかりと頭に植えつける

番外編.欠点の発見
「欠点」をイリュージョンの世界に導く

3.具体的な数値を調べる
「数値」を伴ったシーンが最大の見せ場

■最後に背中を押すための三つの「センノー」

1.「お得感」をアピールする
「限定××個」「今ならさらに」「なんと!」など

2.結果の姿を提示してあげる
使用することによってお客はどう変わるのか、をイメージさせる

3.体感
実際にお試しできないのであれば、「使用感」を伝える

どうでしょう? 非常におもしろいですね。つまり、これがテレビショッピングの構成要素そのものだということです。応用できるかどうかはともかくとして、どのようなステップをふめばよいのか、は明確にわかりますね。

ちなみに本には、著者が実際に売った「低反発ウレタンフォーム枕」の構成表がついています。著者が実際にどうやって表現したかが書かれているので、具体的なイメージがつかめない、という方はぜひ読んでみてください。

というわけで、今日の1冊は

『30分で5億売った男の買ってもらう技法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302444

です。本当はもっと売れてもいい本です。誰かがこの本のよさに気付いてくれることを期待しています。

主な目次

序章 本題に入る前の五つの「マクラ」
第1章 ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」
第2章 商品理解を深めるための三つの「リサーチ」
第3章 最後に背中を押すための三つの「センノー」
終章 そして、驚きのテクニックへ[応用問題]
巻末資料 「低反発ウレタンフォーム枕」構成表
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━

この書評に関連度が高い書評

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー