2008年2月29日

『社長よりも偉いもの』西澤亮一・著

【組織が成長できない理由】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270003049

本日の一冊は、人材紹介事業およびクレドコンサルティング事業で延べ1万社を支援、自らも組織拡大の壁にぶつかりながら会社を成長させたという著者が、企業の成長過程で欠かせない人材活用、マネジメントの秘訣を公開した一冊。

ビジネスストーリーの体裁で書かれていますが、自ら社員数150名突破、22億円の売上高を達成した著者だけに、じつにリアルなストーリーが展開されています。

冒頭に起こった新卒の集団辞職事件、幹部社員の動揺、ビジョン不在の会社…。

急成長を続けるうちに大切なものを見失い、どん底に陥っていたテ
クノマスタ社の社長、三宅を救ったのは、成長の壁を乗り越え、大
成功を収めた社長、岩渕でした。

本書の主人公、三宅は、この岩渕の助けを得て、会社を次々に立て
直していきます。

ビジョンの策定、残った社員へのヒアリング、幹部との合宿、クレ
ドの作成…。さまざまな課題に取り組んでいるうちに、三宅の会社、
テクノマスタは、低迷期を乗り越え、再び成長を始めます。

一体、テクノマスタの問題は一体何で、社長の三宅は、どうやって
それを立て直したのでしょうか?

これこそがまさに本書の語るところであり、企業の成長に欠かせな
いプロセスなのです。

ストーリーの臨場感もさることながら、そのなかにしのばされた教
訓も読み応えがあります。

正しい採用、そして人材活用を実現するために、ぜひ読んでおきた
い一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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やりたいことができるハコであるテクノマスタが必要としている人
材とは、起業家精神にあふれた人材だ――。そう理解した佐藤がサ
イトにアップした会社紹介のコピーは、右ページのようなものだっ
た(中略)「このコピーはとてもよくできていると思うけど、実際
入社してきた新人は、テレアポなどの地道な営業を極端に嫌がって
いたふしがあるんだ。彼らに実際の仕事の様子を伝える機会が少な
かったとは思わないかな?」

コミュニケーションの齟齬を抑えるには、部長クラスとの意思疎通
を密にし、彼らを媒介にして、現場にトップの意図を浸透させる体
制をつくることが大切だ

新人を活かすためには、大前提として採用のしかたが重要です。そ
して、採用だけではなく、内定したあとの内定者フォローと、入社
後の配属前研修も大切です。そこがきちんとしていないかぎり、入
ってくる人材の意識がブレてしまいます

「会社の文化をつくるのが新卒、その文化をよりよくしていくのが
中途」という考え方を持っている会社は、うまく成長していくもの

会社がめざすところがわかっていれば、少々のことがあっても動じ
ずにいられるはずだ

理想を言えば、企業規模の大小を問わず、社員数の五~七割は新卒
採用にしたい

面談が意見の発散だとしたら、合宿は、集まった意見の集約に役立つ

経営幹部が意思統一を図る際に、おすすめなのが合宿

採用したい人物像を「行動レベルまで落とし込む」

「入社二年目の春にはこのような人間になっていてもらわなければ
いけない」という明確な基準があると、逆算して現時点でどのくら
いのレベルの人材を採用する必要があるのかが見えてくる

外資に転職する人のうち、ちゃんとキャリアアップできているのは、
三割だけ

一度辞めると言い出した人間には、残念だけど、気持ちよく辞めて
もらったほうが得策

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『社長よりも偉いもの』西澤亮一・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270003049
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◆目次◆

第1章 机に並んだ辞表
第2章 会社に”芯”はあるか?
第3章 ヒントは社員が握っている
第4章 生みの苦しみ
第5章 新生テクノマスタの船出
第6章 腐りだす社員
第7章 ゆれ動く社員の心
第8章 社員の心のよりどころ
あとがき
巻末付録 成功する新卒採用とは?

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